世界で賞賛される「韓国」コロナ対策の凄み 行動制限を課すことなく増加曲線を抑制

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世界保健機関の事務局長テドロス・アダノム・ゲブレイェソスは、ウイルスの封じ込めは難しいものの「可能である」ことを示したとして、韓国を称賛した。テドロス氏は各国に「韓国その他で得られた教訓を応用する」よう促した。

韓国の当局は、同国の成功は一時的なものであると警告する。再発のリスクは残されている。国境の外ではエピデミックが猛威を振るい続けているため、なおさらだ。

今では1日に10万の検査キットを生産

それでも、アメリカ食品医薬品局(FDA)元長官のスコット・ゴットリーブはツイッターで「韓国は賢く精力的な公衆衛生によってCOVID-19が克服できることを示している」と書き、何度も韓国をモデルに掲げてきた。

教訓1:介入は早く、危機的状況になる前に

1月下旬に同国初の感染症例の診断が下ってからわずか1週間後、当局は製薬会社数社の代表者たちと面会した。当局は緊急承認を約束したうえで、大量生産のためのコロナウイルス用検査キットの開発に直ちに着手するよう促した。

韓国で確認された症例数は2桁にとどまっていたが、2週間以内に何千もの検査キットが発送された。同国は今では1日に10万キットを生産しており、当局によるとキットの輸出について17カ国の政府と協議中だという。 当局はまた、地元の教会から感染が素早く拡大した人口250万人の都市テグで迅速に緊急措置を施行した。

「主な感染源が教会の礼拝だったことが割と早い段階でわかっていたため、韓国は人の動きを制限することなく対処できた」と政府にコロナウイルス対応を助言する疫学者であるキ・モランは話す。「判明するのがもっと遅かったら、ずっとひどい状況になったかもしれない」。

韓国はまた、ヨーロッパやアメリカと異なり、2015年の中東呼吸器症候群(MERS)のアウトブレイクにより国内で38人の死亡者を出した経験を持つため、コロナウイルスを国家非常事態として扱う準備ができていた。

コロナウイルスは5日間の潜伏期間があると考えられており、多くの場合その後風邪と間違われるような軽度の症状が出現するが、その際にウイルスが非常に伝染しやすくなる。

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