ライザップ社外取締役2人はなぜ辞任したのか 経営再建の最終段階を前に「波乱」の兆し

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辞任の理由となった「構造改革の進め方」とは何なのか。ライザップは「戦略上の問題で詳細は申し上げられない」としつつ、次のように回答した。

「従来の取締役会の構成では、社外と社内の取締役のバランスが悪いため意思決定のスピードが遅れるという側面もあり、コロナショックという非常事態の中、足元で緊急的に対応すべき経営判断についての意見のやり取りの中で見解の相違も生まれた」

望月氏は「会社側の説明は事実ではない」

コメントにある「社外と社内の取締役のバランス」とは、次のようなことを指す。

ライザップは2019年6月、監督機能の強化を理由に12人だった取締役の数を6人に減らした。これに伴い、社内取締役と社外取締役の比率は、従前の「社内9、社外3」から「社内1、社外5」に大きく変わった。

しかし、社外取締役比率が高まることで意思決定のスピードが遅れるのは、ある意味当然のこと。となると、会社側が説明する辞任理由は「新型コロナウイルスが感染拡大するという経営環境下で見解の相違が生まれたからだ」と要約できる。

東洋経済の取材に対し、3月25日までに中井戸氏からの回答はなかったが、望月氏は「会社側の説明は事実ではない」と完全否定。「私の辞任理由については、辞任届に記載して会社(ライザップ)に提出しておりますので、会社にご確認ください」とコメントした。

これに対し、ライザップは「辞任届の内容は非開示。望月氏とは認識の違いが生じている」とだけ述べた。

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