トヨタ自動車とNTT、業務資本提携を正式発表  約2000億円相互出資、スマートシティー運営

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 3月24日、トヨタ自動車とNTTは、スマートシティー事業で継続的な協業関係を構築するため、業務資本提携で合意したと発表した。写真は2019年10月、東京モーターショーで撮影(2020年 ロイター/Edgar Su)

[東京 24日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>とNTT<9432.T>は24日、スマートシティー事業で継続的な協業関係を構築するため、資本業務提携で合意したと発表した。次世代をにらんだ互いの技術を持ち寄ってスマートシティの基盤構築を進め、世界展開も視野に入れる。

トヨタの豊田章男社長は同日の会見で、社会システムの中で自動車を上手く活用できるのがNTTだとし「NTTとの提携は必要不可欠で必然」と述べた。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の流れの中で「モノサービスが情報でつながる時代に突入している」との認識を示した。同席したNTTの澤田純社長は「スマートシティの社会基盤を一緒に作り上げていく。これを東富士から世界へ広げたい」と述べた。

スマートシティ構想は、先端技術を活用して都市や地域の機能、サービスを効率化・高度化して社会課題を解決するほか、快適性や利便性など新たな価値を生み出す取り組み。

先行ケースとして東富士エリアのほか品川駅前でスマートシティの基盤を実装し、その後はほかの都市へと展開する考え。

トヨタは、トヨタ自動車東日本の東富士工場(静岡県裾野市)跡地に実験都市を開発する構想を進めており、21年初の着工を目指している。NTTは、国内外でスマートシティの実証実験に関わってきた知見を生かし、自動運転に必要な通信インフラなどで参画する。

相互に4月9日付で総額2000億円の普通株式を取得する。NTT株に対するトヨタの所有割合は約2.07%、トヨタ株に対するNTTの所有割合は約0.90%となる。NTTの澤田社長は「長期に互いが組み合っていくことの証明」と話した。

スマートシティを巡っては、海外の大手IT企業も取り組みを進めている。NTTの澤田社長はトヨタとの提携について「GAFA対抗という意識は大いにある」と述べた。もっとも、今回の取り組みは排他的ではないとし「もちろんGAFAが一緒にと言うなら、是々非々で考える」(NTTの澤田社長)とした。トヨタの豊田社長はNTTとの提携では「使う人が幸せになるデータの使い方を考えていきたい」とし、両社が提携を通じてこだわっていくところだと説明した。

NTTは次世代通信技術として研究を進めている「IOWN」構想について、スマートシティで実験・研究する考えだとした。IOWNのフォーラムにも、トヨタが入る方向だという。両社はすでにコネクテッドカー(つながる車)の分野で実証実験など共同で進めてきた実績があり、関係強化を通じて次世代技術の開発を加速する。

今回の提携を通じてトヨタは、国内通信大手との提携関係を全方位に広げることになる。ソフトバンクグループとは18年に共同で移動サービス会社「モネ・テクノロジーズ」を設立。KDDIには12.67%出資しており、市販車向け通信分野などで連携している。

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