コロナがアメリカ映画館に招く「最悪シナリオ」

「劇場で映画観る文化」は終わるかもしれない

新型コロナウイルスの影響でアメリカの映画館は次々と閉館に。この苦境に、はたして映画館は生き残れるだろうか(写真:Paras Griffin/Getty Images)

レンタルビデオ屋に次いで、今度は映画館が「懐かしいもの」になるのか。新型コロナが広まるアメリカで、そんな恐怖が現実に近づいている。

現地時間3月15日(日)、ロサンゼルスとニューヨークの市長はそれぞれに、全映画館に閉館を命じた。しかし、コロナを恐れて客足が大きく引いたこの週末、映画館はどうせ開けている意味がほとんどなかったし、そのこと自体はある程度許容範囲だったのではと思われる。

衝撃だったのは、その翌日、大手映画会社のユニバーサル・ピクチャーズが、4月公開予定作と、まだ公開されたばかりの新作4作品をビデオ・オン・デマンド(VOD:ネットやテレビ受像機による配信法)で提供すると発表したことだ。

新作映画が公開後わずか1週間で配信に

ユニバーサルによると、今週金曜までに配信されるのは、先週末公開された『The Hunt』、公開3週目でヒット中の『透明人間』、公開2週目の『Emma.』。また4月10日には、同日に劇場公開が予定されているドリームワークスアニメーションの『トロールズ ミュージック★パワー』がリリースとなる。料金は、1作品あたり20ドル。

これまで、スタジオと劇場主の間では、劇場公開からホームエンターテインメントまで3カ月開けるということで合意が保たれてきた。もっと短くしたいスタジオと、もっと長くしたい劇場主の妥協点がここだったのだ。

アメリカではチケットの売り上げをスタジオと劇場主が分け合うようになっており、公開すぐの時期はスタジオが儲けの大部分を取り、週を経るにつれて劇場の割合が多くなる。「宣伝費を払っているのはこっちだし、新作を見に人がたくさんやってくれば、君たちはポップコーンで儲かるだろう」というのが、スタジオ側の言い分だ。

劇場側にしてみたら、やっと自分たちの分け前が増えてきたところで家でも見られるようになってしまっては、あまりに分が悪い。それで、劇場側は、3カ月より短くすることを絶対に許さなかったのである。

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