日本初!「アーティストホテル」の作り方 歌舞伎町の"とがった"ホテルは業界の常識を変えるか
面白いのは、最も部屋数の多いスタンダードルームに「オモテ」と「ウラ」のデザインコンセプトがあることだ。オモテにはワーキングデスクとチェア、ウラにはテーブルとソファを設置し、それぞれが新宿のONとOFFを表現している。
各客室には「必ず1つ以上のアートが入っている」(安野洋・総支配人)。宿泊した際には、どれがその部屋のアートなのか、探してみる楽しみもある。
「歌舞伎町」がアーティストを呼ぶ
日本でもいわゆるデザイナーズホテルが増えているが、ここまで“とがった”ものは少ない。ホテルの設計を担当したUDSの寳田陵執行役員は、同ホテルを「アーティストホテル」と表現する。
このホテルのデザインには、ハリウッド映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の宣伝ポスターを手掛けたカンボジア人のクリエイティブディレクター、トム・トー氏など、実績のあるアーティストも参加した。「こちらが用意したギャラでは普段は引き受けない人たちが多い」(同)。
それでもこのホテルに集まったのは、彼らが“日本好き”だったからだ。寳田氏とともにアジアのアーティストを組織化したバンブー・メディアの笈川誠氏は、「アジアのデザイナーは日本に一目置いている。その日本が自分たちの力を借りに来てくれる、というのは大きな事」と言う。
また、ホテルが建つ歌舞伎町は「カオス的で何でもありの場所」(笈川氏)。そこにホテルを建てることに興味持ったアーティストが多かった。中には、寳田氏や笈川氏が飛び込みで見つけ出したアーティストもいる。たとえば、今回ある部屋の照明を担当した韓国のデザインチームは、両氏がソウル市内のセレクトショップで“発掘”した。
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