飲食店「店員同士の恋愛」が時に危険招く理由 準備不足の出店やひとりよがりも失敗要因
立地についての事前調査も甘く、駅近だから黙っていてもそれなりに客が入るだろうと勝手に思い込み、ランチどきに現地調査した部下たちの「全然人が歩いていませんが、本当に大丈夫でしょうか? ヤバくないですか?」という警告を無視してしまった。
それどころか、120名もお客が入る大型スペースを契約してしまったのだから、目も当てられない。
お客が入らず、がらんとしたスペースでは、話し声がやけに響くため、少ないお客様も居心地が悪そうだった。業務を回すための人件費もかさみ、半年後ついに退店の決心をしたときには、借金は2億円にまで膨らんでいた。今でもこのときの失敗がトラウマになって、代官山には近づきたくないほどだ。
飲食店のお客はとことんシビア。魅力を感じない店にはまったく来てくれない。
出店前の事前準備で、お客に「また来たい」と思わせるようなコンセプトを作り込み、さらに、そのコンセプトが現地の状況に合っているかしっかり調査しておくことが、早期の閉店を避けるためには必須なのである。
サービスがひとりよがりの店は危ない
同じく、サービスやメニューについてのお客の期待やニーズを無視し、独りよがりなサービスを提供しているお店も危ない。
私が経営改善を手伝ったある飲食店の例を紹介しよう。
このお店は、格式高い料理の元シェフが違うジャンルの料理に挑戦したお店だった。提供する料理の味は非常に美味しく、見た目のインパクトもあり、いわゆる「インスタ映え」もする。メニューに問題はなかったのだが、店主の接客サービスが「ひとりよがり」だった。
シェフとしての作法や癖がなかなか抜けず、来店したサラリーマンのお客様に対して、「いらっしゃいませ」と一礼。カウンターの椅子を引いて「どうぞ」とサービスされて、戸惑い顔のお客様が続出していた。つまり、お客が期待しているサービスと、店主の提供しているサービスにミスマッチが生じていたのだ。
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