前出の関係者は「当時は武漢が“予防もコントロールもできる”、“ヒトからヒトへの感染はない”と主張しており、国家的にも明確な確認は取れなかったが、北京ではすでに発熱患者に専門の場所で問診を受けさせたり、院内感染に注意したりするなど、高い警戒心を持っていた」と話している。
1月19日まで、国家衛生健康委員会は、専門家の研究をもとにした判断によるとウイルスの感染は予防もコントロールも可能であると発表していた。しかし新型コロナウイルスの感染元は発見できておらず、感染経路も完全には掌握出来ていなかったため、ウイルスが変異するかどうかについても厳密な観察が必要だったという。
この時はまだヒトからヒトへの感染ははっきりと認められていなかったが、1月20日になって初めて(専門家チームのトップで感染症研究の第一人者である)鍾南山医師が「ヒトからヒトへの感染があり得る」と発表した。
北京市はすでに拡散期の初期段階に
「北京市での新型コロナウイルス感染による肺炎の流行はすでに拡散期の初期段階に入っている」。2月6日、北京市疾病預防控制センター免疫予防所所長・呉疆は記者会見でこのように話した。さらにその場で、新型コロナウイルス感染者の行動したエリアや場所を北京市として初めて公開している。
北京では2月12日までに累計366人の感染が確認されている。その中で治癒し退院したのが68人、死亡者が3人、295人は指定病院で隔離治療を受けている。さらに感染の疑いのある人は194人、感染者と濃厚接触した人が163人となっている。現在わかっているのは、北京地区で最初に感染した2人の患者はすでに退院していることだ。
(財新記者:趙今朝 楊睿)※原文は2月13日に公開
武漢で取材を続ける「財新」の長編リポート第2弾を週刊東洋経済プラスで公開中です。
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