北京初の新型コロナ患者「公式発表」前に存在か

広東や上海でも、1月20日に一斉通知の疑惑

1月12日、北京市南部に位置する大興区の地壇医院では、北京で初めて「新型コロナウイルスに感染した可能性がある患者の治療を始めた」と発表していた(写真:財新編集部)
北京市内で初めて新型肺炎患者が確認されたのは、公式発表では1月20日とされてきた。これは中国政府が新型コロナウイルスの“ヒトからヒトへの感染”を認め、アウトブレイク(突発的拡大)の阻止へ「重要指示」を出したのと同じ日だ。だが、現地の医療現場からは「1月12日から北京初の感染者の治療を始めていた」という情報が出てきている。中国の独立系メディア「財新」の取材班は、北京で最初の感染者となった人物らの治療歴や関係機関の情報公開のプロセスを独自に追っている。

北京で初めて新型コロナウイルスに感染した患者の治療開始から治癒するまでの経過が大きな注目を集めている。

新華社通信の報道(2月10日付)によると、「1月12日から首都医科大学付属北京地壇医院は新型コロナウイルスの患者の緊急手当て、スクリーニング、隔離作業の受け入れを開始し北京初の感染者の治療を始めた」としている。地壇医院の公式ウィーチャットもこの情報について何度か言及している。

これは北京初の新型コロナウイルス感染者が確認されたことが公式に発表されるよりもはるかに早い時期だった。1月20日午前2時44分、北京市大興区の公式ウィーチャット「健康大興」は、「大興区の医療機関は武漢への旅行歴のある2名の発熱患者を受け入れて診察している」と公表。いくつかの検査を経て、この2名が新型コロナウイルスの感染による肺炎症状であると確定していた。

広報センターに電話は通じなかった

これに対し、北京市衛生健康委員会は、「大興が発表した北京初の病例は地壇医院が治療に当たったもので、2名の患者は大興に居住する住民であり、『伝染病防治法』の所属地管理の原則に従い、区の衛生健康委員会が公表を行った」と財新記者に説明する。

本記事は『財新』の提供記事です

「北京市の対応は非常に迅速であり、1月12日までには地壇医院、北京佑安医院、解放軍第五医学センターの三つを市級指定医療機関に定めた」と同委員会の関係者は語る。これら三つの病院は発熱した患者と感染が疑われている患者の治療を北京地区で最初に行った機関であるが、この時まで感染の確認はされていなかった。

2月11日、財新記者は地壇医院の事務局に電話を掛け、この病院が最初の新型コロナウイルス感染者の治療を始めた具体的な時間を聞こうと試みた。しかし、相手は「この種の情報は伝えることができない。地壇医院広報センターに連絡を取ることをおすすめする」と返答してきた。その後、広報センターに電話を掛けてみたものの通じることはなかった。

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