週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
ビジネス #鉄道最前線

観光気分では絶対に無理!「南インド」鉄道の旅 庶民の暮らしを運ぶ、鉄道のよさを再発見

8分で読める
2/4 PAGES

運賃はチェンナイ―デリー間約2200kmでもエアコン付き寝台車が日本円換算3000~4000円程度、エアコンなしの普通車なら1200円程度である。所要時間は30時間以上、LCCが発達しているので空を飛べば1~2時間、運賃も1万円弱程度なので「どう考えても飛行機が楽」である。しかし、貧富の差が激しいインドでは、庶民にとっては1200円と1万円の違いではなく、同じ10倍でも、1万2000円と10万円の感覚となり、運賃の安い2等車に殺到するのだ。

インドではエアコンの有無が運賃に大きく影響し、座席車でもエアコン付きは全車指定席で運賃は高め、寝台車でもエアコンなしはかなり安い。大きな駅にはエアコン付き待合室があるが有料である。

私はチェンナイ―ベンガルール間361kmを「ダブルデッカー・エクスプレス」に乗った。インドでは数少ない2階建て車両で、全車エアコン付き座席指定車両である。所要時間5時間45分、運賃560ルピー(約900円)であった。外国人窓口で購入したせいか、希望はしていないが2階席の窓側であった。

前述通り、一般列車の2等車はとても外国人観光客が利用できる状況ではないが、富裕層が乗るような列車を利用すれば、インドの鉄道旅も快適である。「貧富の差を理解すること」それがインド旅の基本である。それとともに、どう考えてもあまり儲かってなさそうにもかかわらず、日夜庶民の移動に欠かせない存在となっているインド国鉄にエールを送りたいとも感じたのである。

「インドの素顔」を知るのに最適

チェンナイにはインド国鉄の近郊列車もある。都市の生活路線である。最大12両編成の電車が5~10分間隔くらいでやってくる。私のような年齢の人間は「国電」と呼びたくなるような電車である。4ドアの通勤車両がドア全開のまま運行し、人があふれているのだから危なくてしょうがないが、外国人が乗ると奥へ入れてくれる。広軌なので車体幅が広く、扇風機は2列あるが、およそ半数が壊れていて動かない。

【スライドショー】これが南インドの鉄道だ

  • 2等車は客が殺到、外国人観光客の利用は事実上無理か 2等車は客が殺到、外国人観光客の利用は事実上無理か
    (2020年1月、筆者撮影)
  • チェンナイ駅は赤レンガ色の建物が南国の木々に囲まれる チェンナイ駅は赤レンガ色の建物が南国の木々に囲まれる
    (2020年1月、筆者撮影)
  • チェンナイ駅はヨーロッパを思わせるホームが旅情を誘う チェンナイ駅はヨーロッパを思わせるホームが旅情を誘う
    (2020年1月、筆者撮影)
  • WAP7形電気機関車の引く急行列車 WAP7形電気機関車の引く急行列車
    (2020年1月、筆者撮影)
  • ヒンズーのお寺巡りをする客が花を飾ることが多い ヒンズーのお寺巡りをする客が花を飾ることが多い
    (2020年1月、筆者撮影)
  • 「国電」を彷彿とさせるチェンナイの近郊列車 「国電」を彷彿とさせるチェンナイの近郊列車
    (2020年1月、筆者撮影)
  • 窓から荷物を置いて座席の争奪戦がはじまる 窓から荷物を置いて座席の争奪戦がはじまる
    (2020年1月、筆者撮影)
  • 郊外へ行くと車窓には南インドの田舎の風景が流れる 郊外へ行くと車窓には南インドの田舎の風景が流れる
    (2020年1月、筆者撮影)
  • チェンナイメトロの利用率は低かった チェンナイメトロの利用率は低かった
    (2020年1月、筆者撮影)
  • バンガロールメトロのグリーンライン バンガロールメトロのグリーンライン
    (2020年1月、モバイルカメラで筆者撮影)
1/
  • 2等車は客が殺到、外国人観光客の利用は事実上無理か
  • チェンナイ駅は赤レンガ色の建物が南国の木々に囲まれる
  • チェンナイ駅はヨーロッパを思わせるホームが旅情を誘う
  • WAP7形電気機関車の引く急行列車
  • ヒンズーのお寺巡りをする客が花を飾ることが多い
  • 「国電」を彷彿とさせるチェンナイの近郊列車
  • 窓から荷物を置いて座席の争奪戦がはじまる
  • 郊外へ行くと車窓には南インドの田舎の風景が流れる
  • チェンナイメトロの利用率は低かった
  • バンガロールメトロのグリーンライン

次ページが続きます:
【初乗り運賃はわずか8円】

3/4 PAGES
4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象