観光気分では絶対に無理!「南インド」鉄道の旅

庶民の暮らしを運ぶ、鉄道のよさを再発見

ドア全開で走る近郊列車、慣れてしまえばインドを肌で感じながら旅ができる(2020年1月、筆者撮影)

近年、注目度が増している地域に南インドがある。2019年からANAのチェンナイ直行便が運航を開始、2020年3月末からは日本航空もベンガルール(旧バンガロール)直行便の運航を開始する。南インド主要2都市が日本と直通で結ばれるようになった。この地域は北部インドとは気候や文化風習が異なる。インドより東南アジアのイメージに近く、1年中日本の夏季のような気候で、南部のカレーは激辛なのが特徴だ。

インドでも貧しい地域だったため、海外に出稼ぎする人も多かったが、その分、外との交流が活発で、現在では日系企業の進出が活発になるなど、海外からの投資が増えている。

そんな地域の鉄道を覗いてみたので紹介したい。インド渡航は「ビザ取得が面倒」と思われる人もいるだろうが、2016年から日本人には到着ビザ制度が適用されていて、空港到着時にビザ取得できる。写真も不要、ビザなし渡航と変わらぬ気軽さとなっている。

庶民のために運行する長距離列車

チェンナイ中央駅はレンガ色で時計塔のある立派な構えであった。駅の写真を撮っていると、通行人が「イギリス調でインド一美しい駅舎なんだ」と自慢した。改札口はなく、長距離列車が行き止まり式のホームに何本も停まっていた。大屋根に覆われていてヨーロッパの駅を思わせる。

どの列車も20両ほどの客車を機関車が引くタイプで、長距離列車は1泊2日の行程になる列車が多い。2泊3日の行程になる列車も珍しくない。逆に、その日のうちに終着駅に到着する列車は少数派といってもいいかもしれない。

列車は混雑していて、ホームに列車が入線すると、庶民の乗る2等座席車は座席争奪戦になる。窓は鉄格子付きで、窓から乗車できないようにするためだそうだ。とても外国人が利用できる状況ではない。日本人にはエアコン付きの座席指定車や寝台車がおすすめで、切符売場には外国人窓口があり、一般とは異なる枠があるようなので、混雑していても切符が入手できる可能性が高い。チェンナイでは窓口ではなく、個室(駅長室かもしれない)で丁寧に対応してくれた。

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