トイレの話をしよう ローズ・ジョージ/大沢章子訳
一口に上下水道というが、飲み水の確保ほどに下水について語られることはない。しかし、世界に旅に出て、大都市を離れると、やること(排泄)は万国誰でも同じなのに、トイレ事情で驚かされた経験を持つ人は少なくないだろう。
「トイレがない、あるいは、あっても汚すぎて道端でしたほうがましという人は、世界には26億人いる」だけではなく、大都市でもまだ下水設備に関心は薄い。たとえばEU本部のあるベルギーのブリュッセルやイタリアのミラノが、「下水処理施設づくりを始めたのは2003年」だというから、その印象も当たり前かもしれない。
日本での便器ハイテク化、アメリカや中国でのバイオ肥料化、野外排泄ゼロを目指すインドなど、ユーモアを交じえてつづったルポを豊富に盛り込む。
突撃型の女性ジャーナリストが世界を東奔西走。トイレ・下水事情を追いかけて「水と衛生」という、もう一つの環境問題に迫る。
日本放送出版協会 1890円
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら