老後資産の取り崩し可能額が1分でわかる計算 毎年取り崩せるお金と年金で老後を見える化
50代で「お金の人生設計」をおすすめする理由は3つあります。
1つ目は、「ねんきん定期便」で、65歳以降(一部の方はそれ以前)に受け取れる年金の見込み額が把握できるからです。退職一時金の金額や、退職後に何年働き、収入を得られるかの見通しもつくでしょう。そうすれば、具体的に今後の計画を立てることができます。
2つ目は、年金の見込み額などがわかり、「老後生活費が厳しい」となれば、リタイア前から対策を講じることができます。そのためにも50歳になったらなるべく早く、「お金の人生設計」をすべきです。
3つ目は、「退職一時金を受け取ったらどうするか」を事前に考えられることです。老後不安を必要以上に感じて不適切な金融商品を購入し、結果的に老後生活を不自由なものにしてしまうというような間違いも避けられます。
簡単な計算で「1年間に取り崩せる金額」がわかる
早速「老後のお金の人生設計」を立てるための簡単な計算式を紹介しましょう。まずは、リタイア時点の総資産額(時価)から最晩年に残したい金額を差し引き、それから想定余命で割ります。
その結果、「1年間に取り崩してもよい金額」が算出できます。例えば、年初にこの金額を算出して、「その年に取り崩せるお金」として普通預金に移しておくとよいでしょう。そして、計算は、運用資産の値上がりや値下がり、予定外の支出や収入を反映して、毎年行っていきます。
西山さんの場合、現在の総資産額は5000万円(退職一時金も含む)です。お葬式代や家のメンテナンス費用などで1000万円を残したいと考えています。差し引き4000万円です。妻が、95歳まで生きると考えると、65歳以降の想定余命は30年です。
ということは、4000万円÷30年=約133万円で、1年間に取り崩せる額は133万円。これを普通預金に移し、12カ月で割った約11万円ずつ毎月使っていきます。
西山さん夫婦の年金は額面で約300万円ですので、月額25万円です(加給年金・振替加算は考慮していません)。お住まいの自治体によっても違いますが、社会保険料や税金などを差し引いた手取りを月額約21万円とすると、毎月の生活費は、年金と取り崩したお金を合計した32万円となります。リタイア後、計算は毎年繰り返しながら、取り崩し可能額を守りさえすれば、想定年齢まで資産を持たせることができます。
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