川内原発の再稼働一番手が有力に 審査加速の圧力受けた規制委の苦肉の策
原子力発電所の再稼働は、九州電力の川内(せんだい)原発が最初となる可能性が高まった。原子力規制委員会は13日の会合で、川内原発1、2号機(鹿児島県)の新規制基準の適合性審査の内容をまとめた「審査書案」の作成を、他の審査中の原発よりも優先して進めることを決めた。審査書案の作成後に意見公募や地元での公聴会を行い、それらを踏まえて合格通知に当たる審査書を完成させる。早ければ5月ごろに審査合格の可能性がある。合格後は立地・周辺自治体の同意取り付けが必要となるが、今のところ大きな反対はなく、今夏中にも再稼働となりそうだ。
規制委は現在、8電力会社10原発17基の審査を行っている。川内原発が優先対象に選ばれたのは、原発の立地適合性を見るポイントとなる地震・津波・火山対策において、耐震設計を行う前提となる基準地震動(原発の敷地で想定する最大級の地震の揺れ)の設定とその設備対応が唯一完了(12日)するなど、他に先駆けて大きな審査項目をクリアしたと見なされたためだ。
13日夕に記者会見した規制委の田中俊一委員長は、「立地適合性での大きな問題がクリアできたことがいちばん大きい」と選定の理由を述べた。そのうえで、他の原発について「もっと事業者がきっちりやれば(優先対象に)入る余地があったが、結果的に今日の段階では一つ出たことで合意した」と語った。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら