美人局で脅迫されたら警察は動いてくれるのか

会社や家族に知られたらと恐れる必要はない

恐喝されていても自分に後ろめたいところがある場合、「警察に行ったら裏目に出て自分が捕まるかもしれない」と躊躇して、人知れず困っている人が、実は少なくない。もしものとき、どうしたら警察を味方につけられるだろうか。

拙著『新装改訂版 警察は本当に「動いてくれない」のか』でも詳しく解説しているが、こうした場合、警察に行く際の重要なポイントが3つある。

1つは、緊急を要する場合は迷わず110番すること。そうでない場合は、平日の昼間に、あらかじめ電話連絡をしてから訪れるのがベストである。警察署は年中無休・24時間動き続けているが、どうしても夜間と休日は人員が手薄なうえ、事件・事故が多発するため、現実問題、十分に対応してもらえない場合も多い。

次に、明らかに事件と分かっている場合は、まっすぐ刑事課に行くこと。警察に駆け込んだらまず、「刑事課に被害届を出しに来ました」と話すとよい。事件かどうか判断がつかない場合は、相談窓口で「このような案件は何課に行けばいいか、教えてください」と、相談窓口を訪ねてください。

なぜなら、相談窓口では、まず事件かどうかを判断して、刑事課や生活安全課、又は交通課など案件によって案内される。時には、相談案件として事件化されず、解決から遠ざかる場合もある。一刻も早い解決を望むなら「事件です」と迷わず刑事課に行くべきだ。

「事件」の経緯をしっかりと整理しておくこと

最後に、「事件」の経緯を時系列にまとめたメモを用意し、説明の時に提出すること。事前にメモを書くことによって、警察で過不足なく話すことにつながるし、警察も内容を理解しやすくなる。

脅迫電話などは録音していればベストだが、そうたやすいことではないので無理をせず、少なくとも、脅迫の電話がかかってきた正確な日時、記憶にある限りの犯人の言葉を伝える必要がある。警察官だって人間だ。だらだらと要領を得ない話し方だと、何を伝えたいのか理解できず、力になろうと思っても意欲が失せるし、捜査するための必要な条件が整っていないと判断すると、動いてくれない。

警察沙汰にすると、恐喝した男に逆恨みされると考える人もいるだろうが、「ほとんどありえない」と私は断言する。なぜなら、Tさんが交際した女性も、恐喝した男も組織的に動き、その手口を幾人にも使っているからだ。1件が警察沙汰にされたら面倒だし、そこに執着するほど相手も愚かではない。金が取れないことがわかると、さっさと手を引き、ターゲットを次に移す。

美人局も一昔前は女性とホテルに行った後、すぐに男が出てきて、金を巻き上げるという恐喝が多かったが、今はそうした手法はほぼ消えた。オレオレ詐欺が複数の人間による「劇場型」に変わったのと同様、こうした恐喝も、近年手が込んできているのだ。思い余って、お金を振り込むと、相手の思うツボ。さらに多額の要求にエスカレートする。

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