「武漢肺炎」で日経平均は最悪どこまで下がるか

投資家は情報の乏しい中どう向き合うべきか

そもそも中国経済自体が以前よりも巨大化していて、世界経済に与える影響が、需要の面でも供給の面でも大きい。また、日本の経済は世界景気の影響を受けやすく、平均的に見て日本株は産業構造的に「世界景気敏感株」化している。加えて、需要面で外国人旅行者、とりわけ中国人旅行者の影響が大きい。

もちろん、世界景気への悪影響から、武漢肺炎は、アメリカ株も含めた世界の株価に対する悪影響をもたらすだろうが、日本の株価は特に影響を受けやすいと考えることが妥当だ。

それでも、基本的には「一過性」の悪材料

「中国経済の減速が、世界景気に悪影響を与えるだろう」というストーリーで物事を大きく考えると、株式投資の観点では、悪いシナリオばかりが頭に浮かぶが、悲観的材料ばかりではない。あるいは、悲観に一定の限界を設定すべきである。

武漢肺炎は、基本的には一過性の悪材料だと考えられる。インフルエンザに近い感染症だとすると、暖かい季節になると流行が下火になるだろうし、中国をはじめとする各国政府による武漢肺炎の封じ込め作が功を奏することがあり得るし、ワクチンの開発も進むかも知れない。「絶対に」と言えないところがもどかしいが、過去の感染症の例を見ると、武漢肺炎については、終息ないし、一定数の感染者で安定する状況が遠からず訪れる公算が大きいのではないか。

問題が終息すると、経済活動は元に戻ると考えられるので、株価も概ね元のように形成されると期待できる。経済活動の停滞が長期にわたって継続する可能性は大きくあるまい。

人々の予想が下振れし過ぎた場合、下げすぎた株価が割合短期間に元に戻るような状況が想像できる。

もう一点指摘すると、世界の株価が下落して経済にも悪影響を及ぼしそうな場合、米国のFRB(米連邦準備制度理事会)はまだ利下げによる金融緩和の余地を持っている。

悲観しすぎて株式を売りすぎる状況は避けたいし、あわよくば下げすぎた株価で投資するチャンスを見つけたい。投資家なら、こう考えるのが普通だ。

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