しまむら、苦境の裏で決めた「異例の社長交代」 わずか2年で交代、新社長が超えるべき課題

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社長に昇格する鈴木誠取締役執行役員(写真:しまむら)

もっとも、新体制となったところで、抜本的な改革が断行できない限り、苦境からの脱却は遠のくばかりだ。しまむらの業績低迷の根底には、同社が強みとしてきたビジネスモデルのひずみも見え隠れする。

現在、グループ全体で約2200店舗を展開する同社の根幹を支えるのが、徹底したチェーンストアオペレーションとローコスト経営だ。商品投入から店舗運営、物流までを本部で集中管理する仕組みにより、しまむらは無駄なコストを省いて均質的なサービスを実現してきた。

店舗の運営には膨大なマニュアルを活用し、配置するスタッフの数を最小限に抑制。狭い商圏に集中出店するドミナント戦略をベースに、効率的な商品配送を行える自前の物流網も確立している。

都市部では自社競合が発生

だが、店舗数拡大に伴い、従来の郊外型ロードサイド店だけでなく、最近は都市部の商業施設への出店も増加。関西の都市部などでは自社競合が発生し始めた。さらに少子高齢化やネット通販の拡大など消費環境の変化を受け、地方店舗でも売り上げにばらつきが発生し、不採算店が増えるようになった。

これまでしまむらは特別な事情がない限り、赤字が続いても退店を極力行わない方針を貫いてきた。だが、収益改善に向けては店舗網の精査が避けて通れなくなっている。鈴木氏は「今はもうバンバンと店を出す時代ではない。現状100店舗ほど赤字店舗があり、今後数年間にわたってこれらを整理していく」と語る。

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