渋野日向子がゴルフ界に与えた絶大な経済効果 2019年はまさにシンデレラストーリーだった
蓋を開けてみれば、ある意味まったく期待されていなかったノンプレッシャーの渋野が、優勝争いに加わり、笑顔でギャラリーとハイタッチしながらギャラリーをも魅了し、最終日18番でバーディーを決めて樋口久子に続く42年ぶりのメジャー制覇を成し遂げた。その笑顔は現地メディアを味方につけ、ついたあだ名は“the Smiling Cinderella”。
まさにシンデレラストーリーである。
渋野日向子はまだまだ新人ではある。2017年のプロテストに落ち、2018年にプロテスト再挑戦で合格し、2018年は下部のステップアップツアーで賞金711万円を獲得した。しかし、LPGAツアーは1試合しか出場できず予選落ちで、獲得賞金は0円であった。
2019年のLPGAツアーに参戦するためのQT(クオリファイングトーナメント)で40位に何とか入り、前半フル参戦のシードは取れていなかった。開幕戦には出場できず、初出場となった2試合目の「ヨコハマタイヤ PRGRレディス」で6位タイ、さらに続く「Tポイント×ENEOSゴルフ」もウェイティングからの出場だったが予選落ちで、次の試合も予選落ち、先行きが危ぶまれていた。
しかし、出場選手が多い日本のメジャー、サロンパスカップに出場でき、ここで初優勝した。
この時の渋野のコメントが「新元号、令和になった実感は少ない。でも、日本人のメジャー優勝は久々です。私で良かったのですか?」と日本のメジャー初優勝に戸惑いが見られた。
この時のコメントはLPGAアワードの「メディア賞・ベストコメント部門」にも選ばれている。その後、7月に行われた資生堂レディスで2勝目をあげたが、それでもツアーではそれほど目立つ存在でなかった。
むしろ畑岡奈沙、勝みなみ、原英莉花などの同じ年代の黄金世代の1人としての扱いであった。そこから、全英女子オープンで世界が変わった。
渋野日向子の経済効果は?
ブレークした渋野日向子の2019年シーズン1年間でどのぐらい賞金を獲得したか。まず、日本のLPGAでの賞金ランキングは鈴木愛に続き2位で、年間4勝で獲得賞金は1億5261万円。さらに、日本の賞金に加算されていないが、全英女子オープン優勝の賞金が67万5000ドル(優勝日8月5日の米ドル為替レート105.35で7111万円)で合計2億2372万円である。昨年のLPGAでの獲得賞金が0円であるから、驚異の伸びだ。
また、LPGAアワードの年末表彰で4冠を達成、またGTPAの特別賞など副賞賞金も1000万円以上得ている。また、優勝副賞、年間最優秀選手賞などでベンツ他の車も5台獲得した。
それ以外に、スポンサーからのサポートがある。渋野のスポンサーは前の所属のRSK山陽放送、ミック工業株式会社、株式会社キャンデル、Tポイント・ジャパン、日本航空。用品・用具契約はクラブ:ピンゴルフ、ボール:タイトリスト、ウエア:ビームス、シューズ:ナイキ。
これらの契約先はTポイント、日本航空を除き全英女子オープンの優勝の前に契約しており、とくにスポンサー企業は渋野出身の岡山に関連しているものがほとんどだ。推定であるが、契約金は1社多くて数百万~1000万円、合わせても3000万円程度ではないだろうか。
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