娘の受験に口を挟む「マウント夫」に妻が大逆転 結婚生活17年の中で、初めて妻がキレたら…
今までにも何度か離婚の話が出るくらいのけんかはありましたが、娘さんのことや今後の人生や結婚したということの責任を考えると、離婚はしないほうがいいと、仲直りしてきたといいます。しかし今回ばかりは状況が違いました。17年の中で、初めて美香さんがキレたのでした。
「本当にもう愛想尽きたって感じで、まったくやり直せる気もしないし、この人を家族として愛せる自信もない。今後の人生を考えても、一緒にいたらつらい未来しか見えなくなっていたんです。
夫も私が本気で離婚したいと思っていることがわかったみたいで、『やっぱり離婚はやめよう』『俺が悪かった。嫌なところは全部直すから』『娘のこともこれ以上追い詰めない。自分の理想を押し付けない。A高校以外の高校には行かせないなんて確かに俺がどうかしてた』って何度も謝られたけど、まったく許す気にはなれませんでした。
どうせまた今だけいいこと言ってる。また同じこと繰り返すだろう。このまま一緒にいたら、逆に娘を守れないという思いが強かったんです」と。
まさに、マウント夫からの大逆転劇です。
親子は血がつながっていても、同じ人間ではない
今まで、ご主人にとって美香さんの存在は、なだめる役、慰め役、自分の思いどおりになるのが当たり前でしたので、これにはご主人も目が点。熱い灸をすえられたご主人はといいますと、その後、気持ちが悪いほど家族に気を遣って優しくなっているといいます。
よほど反省したのか、毎日のように何度も何度も美香さんに謝り、娘に謝り、という必死な姿を見ていたら、美香さんの気持ちも徐々に落ち着いていき、夫婦で何度も話し合いを重ねました。話し合っていく中で美香さん自身、たくさん考え、「今離婚するのは娘のためによくない。受験を控えた娘にとって、親の離婚は環境も変わるし、いろいろ我慢させたり、今以上に悩ませて余計に追い詰めてしまう」と、ひとまず離婚は思いとどまったといいます。
ただし、ご主人には次のことを約束してもらいました。
・娘が心から行きたいと思える進路に進ませてあげること。
・今までみたいに、自己中な振舞いをしないこと。
・声を荒げて怒らないように努力すること。
おかげで現在のところ家族関係は落ち着き、娘さんもようやく自分の進路に前向きになり、ご主人も勢いで怒ったりすることもなくなりました。今では娘さんに対して、志望校のB高校合格に向けてのアドバイスや応援をうまくしてくれているといいます。
心配がゆえに目を離せなくなってしまう、口を出したくなってしまう、親子関係、家族関係におけるお話では必ずといっていいほど出てくるテーマです。親と子というのは、血はつながっていても、同じ人間ではありません。人格も違えば能力も違って当たり前です。期待値が大きければ大きいほど、愛情の行方がおかしな方向にいってしまうというのもしばしば聞く話です。「見守る」というのがいかに難しいものなのかということを改めて考えさせられるお話でした。
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