7年目の「ななつ星」、予約取れない高倍率の秘密

経験積み重ね、コースにも趣向を凝らす

夕陽を受けて久大本線を帰路につく「ななつ星」(田主丸―筑後吉井間、撮影:久保田 敦)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2020年3月号「七年目のななつ星」を再構成した記事を掲載します。

多くの人々にとって乗りたくても容易にはかなわない“夢”のような列車。それが、「ななつ星in九州」だ。2013年10月に運行を開始してから6年が過ぎた。しかも、旅の代金は破格であり、それだけの金額を出すなら海外旅行――という人も多いはず。いったい、どのような人々が乗るのかと博多駅に見に行った。

だが、そこにいた人は、ごく普通ににこやかで、楽しそうであった。凛と和服を召した婦人も交じるが、ごく普通にカジュアルな装いの人も多い。立ち居振る舞いはピリッとしていたように見えた。

車内は工芸品の集大成

DF200形ディーゼル機関車が、九州7県にちなむ愛称にそろえた77系客車7両編成をひくその列車は、周囲の景色や光景を映し込む赤茶色の車体に金色の装飾文字やエンブレムをちりばめ、デッキからのぞき見る車内はまさしく工芸品の集大成。「豪華さ、ぜいたくとは何か」という問いを突き詰めていったとき、それは各々の人がそれまでに経験してきた豪華さやぜいたくが最大の基準になる。

そのため初めて接する未来的な姿ではなく、今までに見た覚えはあるのだけれどそのどれをも凌ぐような、伝統的なスタイルや職人の確かな技術が込められたクラシックな美が追求されている。

客室は3~6号車に3室ずつのスイートルーム、7号車に2室のデラックススイートルーム(A・B)と計14室を備え、1列車30人弱の乗客で九州をゆったりと回る。1号車のラウンジカーは社交場のようで、2号車ダイニングカーでは白い調理服姿の職人が準備に余念ない。

火曜日に博多を出る金曜日までの3泊4日コースと、土日を使った1泊2日コースが組まれているが、その基本的な経路は過去に何度か組み直されている。

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