選挙ポスター公費請求「水増し」もありうる欠陥

専門家「厳しい目を注ぎ実態浮き彫りにせよ」

「政治と金」に詳しい日本大学法学部の岩井奉信教授は「この問題には誰もが疑念を持ってきた」と言う。疑念はあるのに当の立法府は放置してきた、というわけだ。

「選挙ポスターの代金は、仕組みとしては実費精算となっていますが、その実費がはたして適正なのか。同じ東京都内で当選しているのに、その議員たちの印刷代金が4倍以上も違うことなど実際はありえません。制度の趣旨を踏まえるか、インチキするか。現状はそれすら候補者次第になっている。メスを入れる必要があるでしょう」

日本大学法学部の岩井奉信教授(撮影:穐吉洋子)

岩井教授は「公費負担の支給の方法がずさん。実勢価格を反映していない」とも言う。

実勢価格との乖離が温床のもとに

「ポスター印刷は近年、カラープリンターなどによって価格は大幅に、急激に下がっています。それなのに、公選法の上限額の計算式は、現実から離れて高すぎる。この乖離こそが“水増し”疑惑の温床になっている」

2019年7月の参院選・広島選挙区では、当選者がウグイス嬢に規定の倍の3万円を支払ったことが問題になった。岩井教授は「こういう部分も実勢に合っていない」と強調した。

「人件費が上がっている今、以前のように1日当たり1万5000円では誰も引き受けてくれません。現行制度が現実に追いついていないのです。(議会や選挙を所轄する総務省には)現状を踏まえたうえで、制度に対する不断の見直しが求められます」

取材:本間誠也、木野龍逸、穐吉洋子=いずれも「フロントラインプレス(Frontline Press)」

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