選挙ポスター公費請求「水増し」もありうる欠陥

専門家「厳しい目を注ぎ実態浮き彫りにせよ」

選挙ポスター代金の請求単価は、立候補者によって4~5倍近い差がある。“水増し請求”を生む背景には何があるのか(写真:ロイター/アフロ)
ポスターやビラの印刷代金などを公費で負担する日本の選挙制度は、資金の乏しい人でも立候補できるように、との考えに基づいている。しかし、制度の枠組みが実態に合っていなかったり、制度の隙間を都合よく利用したりといったことが生じているとしたら、事情は異なる。
東京都選出の現職の衆議院議員37人(小選挙区と比例復活)の中で、ポスター代金の公費負担が限度額の100%だった議員は9人いた。一方、50%未満は12人で、このうち3人は25%未満だった。1枚当たりの単価の最安値は257円、最高値は1290円。公費の請求単価には4~5倍近い差がある。どの候補のポスターも同じように見えるのに、なぜこんなに差が出るのか。“水増し請求”を生む背景にも踏み込みつつ、専門家らに語ってもらった。

元秘書「公費は上限いっぱいで請求するもの」

有力国会議員の秘書として長く働いてきた男性によると、ポスター代に限らず、「(候補者はそもそも)公費で出るものに関しては、上限いっぱいまで請求しようとする。それが普通の心理」と言う。

「ポスター代金も含め、公費負担の水増し請求など昔からありました。限度額を請求している陣営は(制度に精通した)ベテランがお金を処理している場合が多いと思う。印刷業者が後援者メンバーなら、当然、お金をキックバックしていることもあるかもしれません」

そうした本音や実態を前に、日本大学法学部助教の安野修右氏は「ポスター代を含む公費負担制度は改正ではなく、廃止すべきだと思います。今の制度は本来の趣旨から大きく乖離しています」と言い切る。公費負担は“持たざる者”に対する措置――。安野氏は、そうした点も“思い込み”にすぎないという。

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