「相鉄・JR直通線」お得なのはどこへ通勤する人? 東京方面でも定期代が安くなる目的地がある

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では、海老名―大和間の相鉄線内各駅から新宿、渋谷へ行く場合はどうだろう。この場合は最低でも1駅は相鉄を利用するため、小田急経由より直通線が有利そうな感じがするが、実はそうでもない。

例えばかしわ台―新宿の場合だ。

<かしわ台から新宿へ(朝ラッシュ時)>
相鉄・JR直通線
所要時間68分 運賃853円 定期1カ月2万8100円
大和乗り換え・小田急線(急行・快速急行)経由
所要時間64分 運賃640円 定期1カ月2万0740円

相鉄・JR直通線は所要時間68分で片道853円、定期1カ月2万8100円だが、大和で小田急の急行・快速急行へ乗り換えると64分で運賃は片道640円、定期1カ月2万0740円と、運賃差で小田急経由に歯が立たない。

一方、かしわ台―渋谷だとだいぶ差が縮まる。

<かしわ台から渋谷へ(朝ラッシュ時)>
相鉄・JR直通線
所要時間65分 運賃853円 定期1カ月2万7410円
小田急線(急行・快速急行)+京王井の頭線経由
所要時間62分 運賃735円 定期1カ月2万3770円

直通線へは西谷で乗り継ぎとなるが、同一ホーム上で1分接続と小田急乗り換えより楽で、所要時間の違いも3分だ。ここは少しの値下げで大多数が直通線経由に切り替えるのではないだろうか。あるいは1カ月の定期代の差が3640円なら、月平均21日勤務とすれば1日片道あたりプラス86円で楽に通勤できる。自腹で差額を足してルート変更されている方もいるかもしれない。

そもそも小田急はキロあたり運賃が11.5円なのに対しJRは15円。これに相鉄の分が足されるからキロあたり16.4円にもなる。海老名は仕方ないとして、大和―渋谷間は特定運賃の設定などで差を縮めることを考えないともったいないのではないだろうか。

二俣川―新宿はメリットが大きい

一方、二俣川から新宿・渋谷へ、横浜乗り換えと比較すると直通線のメリットが見えてくる。新宿へは、横浜で湘南新宿ラインへ乗り換えると所要時間59分で片道760円、定期1カ月2万5200円だが、直通線なら50分で片道769円、定期1カ月2万4760円。かねての宣伝通りで、湘南新宿ライン経由と比べて所要時間は約10分の短縮、運賃もほぼ同じといいことづくめだ。

<二俣川から新宿へ(朝ラッシュ時)>
相鉄・JR直通線
所要時間50分 運賃769円 定期1カ月2万4760円
横浜乗り換え・湘南新宿ライン経由
所要時間59分 運賃760円 定期1カ月2万5200円

運賃が安い東急東横線経由と比べても直通線は有利だ。横浜で東横線に乗り換え(新宿三丁目下車)の場合、所要時間は67分で片道639円、定期1カ月2万5280円。直通線の定期運賃のほうが月520円安く、所要時間も15分以上短縮できる。

だが、渋谷だと運賃はだいぶ差がついてしまう。直通線利用の場合、所要時間は44分で片道769円、定期1カ月2万4070円だが、横浜で湘南新宿ラインに乗り換えると49分で運賃は片道595円、定期1カ月は2万0250円で、二俣川―新宿間と比べて運賃の差が大きい。

これはもともと、JRが横浜―渋谷間で東横線に対抗して値下げした特別運賃があるためにできてしまった差だろう。ならば直通線経由でも特別運賃を作ってほしいところだ。ちなみに東横線乗り換えだと60分かかるものの、運賃は片道471円、定期1カ月は1万8510円で1番安い。

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