長すぎる会見で「自己正当化」に終始したゴーン

証拠書類の字は小さすぎて見えなかった

また、会見では自身が2016年に開き、フランスの検察による捜査の対象となっているベルサイユ宮殿での豪華なパーティーを擁護した。問われているのはパーティーの開催が会社資金の不正使用だったかということだ。このパーティーが2番目の妻であるキャロルとの結婚、そして彼女の50歳の誕生日と重なったのだ。

ゴーン氏は、パーティー開催の背景には、ベルサイユ宮殿と自動車アライアンスの間にもともと存在した関係があったと語った。それでも同氏は、「明らかに、これはとても安上がりのパーティーというわけではなかった」と話した。

「法の裁きからは逃れていない」

ゴーン氏に対してする世間の批判の1つが、ゴーン個人の利益のために日産が購入したと報道された住宅だ。これらの不動産にはリオデジャネイロおよびベイルートの住宅が含まれる。

これに対してゴーン氏は、住宅は日産幹部の合意の下で購入したものであると主張。元側近のグレッグ・ケリー氏とゴーン氏後任の西川廣人前社長、そして自分の失墜に対して責任があるとゴーン氏がとがめる幹部の1人が住宅の購入に署名している書類を提示した。

日本でのゴーン氏に対する刑事罰には、不動産は含まれていない。しかしゴーン氏は、告発は日産の中傷合戦の一部として行われたと述べた。 逮捕以来、ゴーン氏と家族は、自動車会社の元トップである自分が「不当と政治的迫害」の被害者であると日本の司法制度を批判している。

その後も同様の話が続いた。「私は、2018年11月19日以来、自由を感じる瞬間が1度もなかった。深いいらだちを感じると同時に、家族そして愛する人たちと再会できたことに再度深く感謝している」と報道陣に述べた。

ゴーン氏は、裁判を受けずに日本から逃亡した判断について擁護した。「私は、法の裁きからは逃れてはいない。不当と政治的迫害から逃れたのだ。自分自身と家族を守るほかに選択肢はなかった」。同氏はまた、検察官から受けた待遇について激しく非難した。

東京地検は8日、政府と日産間の陰謀に関するゴーン氏の主張は「断定的に虚偽であり完全に事実に反している」という内容の長文の声明を発表した。 声明では、ゴーン氏の待遇は逃亡する危険性があった事実を反映していると述べているが、ゴーン氏は「これは中傷の一部である」としている。

東京地検は同日、捜査令状を携えてゴーン氏の日本の弁護士事務所に立ち入った。しかし、弘中惇一郎弁護士は、弁護団はゴーン氏が使用していた2台のコンピューターの差し押さえを拒否したと述べた。

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