新線開業や災害…2019年の鉄道ニュース10選 平成最後・令和最初の年は何があった?
横浜市の新交通システム「金沢シーサイドライン」新杉田駅で6月1日、自動運転の電車が発車の際の逆走して車止めに衝突、乗客17人が負傷した。同線は今年で開業30年。これまで無事故だった自動運転の新交通システムの事故は「想定外」の出来事だった。
運輸安全委員会による事故調査は現在も続いているが、運行会社の調査によると、電車の進行方向をモーターの制御装置に伝える2本の配線のうち1本が断線していたことが判明。列車が折り返して発車する際、進行方向が制御装置に正しく伝わらず、逆向きに走り出したとみられる。
会社側は、断線などのトラブルが起きた場合は列車が動き出さないように回路やシステムを改修のうえ、8月末から自動運転を再開。12月2日からダイヤも通常通りに復旧した。
横浜市内ではほかにも事故が
9月5日、京浜急行電鉄の神奈川新町―仲木戸間(横浜市)の踏切でトラックと快特電車が衝突。トラックの運転手が死亡、電車の乗客乗員30人超が負傷した。
トラックが踏切を通過できず立ち往生したとみられ、現在も警察による捜査や運輸安全委による調査が続く。電車の運転士は、踏切内の異常を知らせる「発光信号機」の点滅を確認、規定通りにまず「常用ブレーキ」を使い、その後非常ブレーキをかけたと説明しているという。電車は踏切までに停まりきれずトラックと衝突、3両が脱線した。
京急は当初、発光信号機は踏切の600m手前の地点から見通せると説明していたが、のちに570m手前でないと確認できなかったと訂正。時速120kmから停止するまでに必要な距離の520mより手前から目視できたため、安全性に問題はなかったとするものの、ブレーキ操作に余裕を持たせるためとして発光信号機を増設した。また、同信号の点滅を確認した際は常用ブレーキではなく、すぐに非常ブレーキを使うように規定を改めた。
横浜市内ではシーサイドライン、京急の事故のほか、市営地下鉄ブルーラインで6月6日に始発電車が脱線、さらに8月29日にも同線で折り返し中の電車がオーバーランして壁に衝突する事故が起きている。
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