「英語が話せる人」が実は気をつけていること 英語なんて話せればいいというわけでもない

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海外の常識を知るシンガポール人たちは、異なる考え方に価値を見出し、異なる人種や文化、宗教に関心が生まれて、「Growth Mindset」(成長思考)が培われたことが評価につながったのです。

英語の世界に飛び込むということは、1億2700万人の日本から15億人の世界へ飛び出すということです。圧倒的な多様性の中で、「Trust」(信頼)と「Respect」(尊敬)を獲得していくことが強く求められるのです。

「信頼するあなただからこそ協力する」「尊敬しているあなたがそこまで強く求めるなら、私も手伝います」といった言葉を投げかけてもらえる信頼関係を築きあげていきましょう。そのためには、日々のコミュニケーションにおいて、独り善がりとならないように、つねに相手への配慮、丁寧さがあふれる対応を心がける必要があるのです。

どんな相手でも「敬意」と「気遣い」を示す

英語に対して、フレンドリーに大げさに話す言語というイメージを持つ人は多いと思います。日本語とは異なり、繊細さに欠けると思い込んでいる人も多いのではないでしょうか。

外国人たちと仕事をして実感するのは、英語にも日本語と変わらず、たくさんの敬語・丁寧語があるということです。グローバルな環境で働くうえで、敬語や丁寧語をうまく使いこなせないのは死活問題です。

日本は縦社会で、年齢・役職、相手の立場が自分よりも上か下かによって適切な敬語や丁寧語を使い分けます。しかし、グローバル社会では、皆が平等という前提でお互いに敬意を払い合うのです。

日本の上司が部下に使うような命令調の言い方は当然ご法度です。部下であっても、立場・年齢・性別に関係なく、どんな相手にも丁寧に気遣いながら接することが求められます。

つまり、敬語や丁寧語をうまく活用し、相手への敬意と気遣いを示すといった、英語を使ったコミュニケーションが求められるのです。

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