2000年には社名をウェルファイドに変更。デパスも含む精神科向け医薬品は吉富薬品として分社・子会社化した。さらに2001年には、1999年に東京田辺製薬と三菱グループの三菱化学の医薬品事業が合併して誕生した三菱化学の子会社、三菱東京製薬とウェルファイドが合併し、三菱化学の子会社・三菱ウェルファーマとなった。
「本家本元に戻った」との評も
この三菱ウェルファーマ発足時、製薬業界では旧吉富製薬のことを指して「本家本元に戻った」と評した人もいた。そもそも吉富製薬の源流である武田化成に折半出資をした日本化成工業が後に再編を経て三菱化学になっていたからだ。
2005年には三菱ウェルファーマと親会社の三菱化学が共同持株会社、三菱ケミカルホールディングスを設立し、三菱ウェルファーマはその子会社へと移管。さらに2007年には創業400年を超える日本最古の製薬企業・田辺製薬と三菱ウェルファーマが合併し、田辺三菱製薬となって今に至る。
最近まで田辺三菱製薬は三菱ケミカルホールディングスが過半数の株式を保有したまま株式上場を維持し続けていたが、このほど創薬の効率化などを掲げ、株式公開買い付け(TOB)を発表し、上場廃止となる見込みだ。
この間、デパスなどの精神科向け医薬品を扱う吉富薬品は、ウェルファイドの子会社からそのまま三菱ウェルファーマ、田辺三菱製薬の子会社へと移行し、今に至っている。