「志」の育てる5つの要素
『志を育てる』という書籍を書くに当たっては、数十名のインタビューを行いました。その中から3つのことが見えてきました。1つは図に示すように、志はサイクルを描きながら、概ね5つのフェーズを経て回るということです。
そして、2つ目は、そのサイクルは螺旋階段を上るように連続的に成長するということです。先の議論との関係で言えば、志のサイクル一回転が小志、そのサイクルがらせん状に積み重なり大志になっていくのです。
志のサイクルは、図1に示したような5つの構成要素からなります。
具体的には、
・客観視
・自問自答
・新たな目標設定
・達成への取り組み
・取り組みの終焉
の5つです。
達成への取り組み:
そのときに掲げた目標の達成に向けて、実際に実行を進めていく段階で、志には3つの効用があります。
● 困難な状況を乗り切る、または学び続ける、成長し続ける精神的な支えとしての役割
● リーダーシップを発揮し周囲を巻き込むための旗としての役割
● 自分の取り組みがずれていないかを測り続ける心のアンカーとしての役割
取り組みの終焉:
目標の達成に限らず、本人の心が折れたり、心変わりしたり、自分以外の要因で終了させられたりなど、目標に到達できない場合も含めて、その取り組みがその人の中で終わってしまう段階です。
客観視:
自分が没入し近視眼的に取り組んでいた目標の位置づけや目標を取り巻く環境が、一定の距離を持って客観的に見つめ直すことで見えてくる段階です。
自問自答:
自分自身にとって、その目標が何を意味するのか、自分が本当にしたかったことは何なのかを問い、答えを探す段階です。
新たな目標の設定:
客観視と自問自答のプロセスを経つつ、自身の価値観やスキル、実現可能性、リスクなどを鑑み、新たな目標(志)を見出していく段階です。
このようなサイクルを一回転させることで、小志が創られ志が次の段階に成長するのです。
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