「肩書にとらわれない」32歳の自由な働き方 世界を沸かせるヒューマンビートボクサー

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「アメリカの人は目が肥えていて、いいものにはものすごいいい反応を返してくれる。僕はビートボクサーではあるけれど、独自のテクノロジーを使ったりとかしているオリジナリティーがウケたのだと思う」。

パフォーマンスが終わると「トラック野郎みたいな人」が近づいてきた。そして「『最初出てきた時は変や奴がでてきたな、と思ったけど、お前すごいな。ビールおごってやるよ』って。いかにもロックやカントリーが好きな人から僕のようなビートボクサーが褒められるなんて、とうれしかった」。

尊敬するアーティストはみんな身軽

ジャンルが何であろうと、いいものやオリジナリティーが高いものに対しては、圧倒的に高い評価を与える。いかにもアメリカらしい話だが、「中国人も気質的にすごく似ている」とリトモ氏は言う。今はそうやって自分のパフォーマンスを楽しんでくれる国を回る一方で、SNSなどを通じて新たなフィールドを開拓していきたいと考えている。

それにしても、この気負わなさや身軽さはどこから来るのだろうか。「僕はもともと引っ込み思案な子供だったのだけれど、パフォーマンスを『やって』と言われると、『やる、やる』ってなる。たぶん好きなモノを見つけられたからですね。それを求めてくれれば、『もっと聴かせるよ』みたいな」。

「仕事を通じて、尊敬するアーティストに会えることが多いのだけれど、例えばマルーン5は全員がすごくフランクだし、好奇心旺盛で探究心もすごい。日本のビートボックスの先駆者である、AFRA(アフラ)さんもめちゃくちゃ明るくてフットワークが軽い。そういうのを見ていて、オープンなほうが開けるんだなってまねし始めたのかもしれないです」

自分の枠やジャンル、ブランドを決めすぎずに、来る者は拒まない――。つねに動きやすくすれば、可能性は広がり、何か1つに縛られた生き方をしなくてもよくなってくる。職業や肩書へのこだわりを捨てられる人からどんどん自由になれる時代なのかもしれない。

倉沢 美左 東洋経済 記者

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くらさわ みさ / Misa Kurasawa

米ニューヨーク大学ジャーナリズム学部/経済学部卒。東洋経済新報社ニューヨーク支局を経て、日本経済新聞社米州総局(ニューヨーク)の記者としてハイテク企業を中心に取材。米国に11年滞在後、2006年に東洋経済新報社入社。放送、電力業界などを担当する傍ら、米国のハイテク企業や経営者の取材も趣味的に続けている。2015年4月から東洋経済オンライン編集部に所属、2018年10月から副編集長。 中南米(とりわけブラジル)が好きで、「南米特集」を夢見ているが自分が現役中は難しい気がしている。歌も好き。

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