まだ22歳の学生社長が得た、23億円の「使い道」

あの橋本環奈をCMに使うバイトアプリの雄

起業から1年半を全力疾走で駆け抜けてきた小川社長。最も変わったのは自分自身という。「目標が日本一から世界一に変わった。会社が成長するごとに不安要素が消えて自信につながり、誰よりも成長している自信がある」と笑う。

2020年にはシンガポール進出を見据えており、その次に韓国や香港への展開を考えている。いずれの国も少子高齢化が進んでおり、日本でのノウハウを生かすことができるというのが理由だ。「世界ナンバーワンという目標に向けて、まずはアジアナンバーワンになる。僕は3歳から将棋をやっていてロジックで考えるタイプ」。

社員数は84人(12月10日時点)、月10人ペースで採用を続けている(写真:タイミー)

そして3年後に目指す世界は「ウーバー、エアビー、タイミー」。ウーバーは自動車配車サービス、エアビー(エアビーアンドビー)は民泊サービスのシェアリングエコノミーの最大手。タイミーもワークシェアリングで肩を並べるようになるという野望が込められている。

2022年3月には時価総額3000億円で株式上場することを視野に入れる。実現すれば、2011年に25歳で上場したリブセンスの村上太一社長を上回る、24歳での最年少上場となる。現在は月商1億円を超えるペースで伸び続け、月10人ペースで採用を進めている。

18歳で起業家を目指した意外な理由

寝る暇も惜しんで働く小川社長を支えるのは壮大な夢にほかならない。曾祖父は牧場を経営する起業家で、当時は明治乳業、小川乳業、森永乳業と呼ばれる三大乳業に名を連ねていたという。「福沢諭吉とのツーショット写真もあり、国からも認められるような大企業だった」(小川社長)が、祖父の代で連帯保証人を組んだことが原因で、倒産の憂き目に遭う。

祖父は再起をかけていたが、小川社長が18歳のときに突然亡くなった。「最期に会えなくて後悔している。自分もいつ死ぬかわからないから、今できることを行動に移していこう」と起業家を志すようになる。中学、高校とサッカーを続けてきたが、大好きな祖父との別れをきっかけに、初めてパソコンを手に入れた。

大学入学後はインターンで武者修行しながら起業して挫折し、日雇いの経験から大きなチャンスを手に入れた。既存の企業から買収を持ちかけられそうになったこともあるが、億万長者になることよりも、その先の事業拡大を選んだ。

「今のタイミーのポジション、社員、株主、どれを取っても、手放すことなど考えられない。運もついているので、やれるところまでやりたい」と小川社長は目を輝かせる。2022年の上場までに、あと2回は資金調達を考えている。22歳が調達した23億円は、通過点にすぎない。

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