危うい「日本人の読解力」を根本的に変えるコツ 塾も具体的な方法は教えてくれない
この場合、
これも生花店Bのミスから「普通は生じる(普通はそうなる)」損害ですから、因果関係はアリ、つまり○です。
これは、「そういう場合もあるかもね」という事情による損害ですので、因果関係は△となります。
選択肢のレベルも、このように判断することができます。
本文に書いてあるなら○、本文からすぐに思い浮かぶ(普通はそうなる、と言える)なら○、そうとも言える程度なら△、本文と合わないなら×となります。
○と△の境目がわかりにくくなった場合には、この因果関係を思い出してみてください。
「例外を認めない」言い方には用心する
選択式問題によく紛れ込んでいる「怪しい言葉」というものがあります。それが次に示した、「絶対に」「すべて」「必ず」「まったく~ない」「少しも~ない」「完全に」「~ばかり」「つねに」などの言葉です。これらの「例外を認めない」言い方が選択肢に出てきたら、△をつけて用心します。
親御さんが受験生のころは、このような言葉が選択肢に出てきた場合は、大抵が×でした。しかし、塾側が「このような言葉が出てきたら×」というように教え始めたために、学校側も対策を打ってくるようになりました。現在では、このような選択肢が正解になることもあるため、私は△をつけて用心させるようにしています。
そして、実はこの「例外を認めない言い方」を知ることは、生きていくうえでもとても重要なことです。
ジャーナリストの江川紹子さんは、「その違和感を大切にしよう〜オウム事件の悲劇をくり返さないために」という文章で、地下鉄サリン事件で実行犯の運転手役を担い服役中の杉本繁郎受刑囚の手記を紹介しています。これは江川氏の「オウム事件を知らない世代に伝えたいこと、考えてもらいたいことはないか」との質問に、杉本受刑囚が答えたものです。その中に次のような1節があります。
私たちが生きる現実世界も、実はこのような「怪しい言葉」であふれています。それに気がつき、心のなかで△をつけることができる力は、危険を回避し、自分が真に望む人生を送るために必要な能力でもあるのです。
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