日本の「ネット通販利用」がまだ遅れている理由

アメリカや中国ではすさまじい速度で浸透

百貨店の「シアーズ(Sears)」(2018年経営破綻)は時間をかけて都市に行かないと買い物ができない農民を相手に1896年からカタログ販売を始め、この販売方法を定着させた。このため、実店舗に行かずに買い物すること自体に抵抗感がなかったとも考えられる。そして、日本の場合、「受け取り、再配達に関する不安」もよく指摘されるが、アメリカではドアの前に荷物を置くことが普通なのであまり問題となっていない。

配達はドアの前まで(筆者撮影)

中国では、もともと小売店舗の展開が不十分であったところに、便利なECが導入され急速に普及したのだろう。カタログやテレビによる通信販売が発達するという段階を飛ばして(リープフロッグ現象が発生し)、一気にEC社会に入ったこともあるだろう。

しかし、確実な割引や大規模の祭りなどを通して消費者にオンラインショッピング習慣を身に付けさせたこと、ECストレスを軽減していること、D2Cを通してより一層消費者と触れ合うことは、アメリカや中国のEC化を推進させているが、一言で言えば消費者目線のマーケティングと言えるだろう。

メーカーや販売者の目線でなく、消費者がどうしたら買いたくなるのか、ECの何に抵抗感があるのかなど消費者目線で検討されている。

日本のEC発展に必要なことは何か

日本のECにおいてもいろいろな進化がある。百貨店を展開する丸井はショールーミング戦略を打ち出し、限定版を出すことで女性靴のネット販売を促進したり、その逆にアパレル大手のTSIホールディングスが展開するナノ・ユニバースはネットで確認してもらい実店舗で購買を促進する方針(ウェブルーミング)をしたり、アマゾンジャパンも置き配をスタートしたりしている。このような消費者目線でEC戦略を再構築することが、日本のEC発展につながるのではないだろうか。

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