飛び交う手紙、通報も「ぺんてる争奪戦」の壮絶 コクヨ、プラスとも一歩も引かない構え
「私は私自身が発信した意見を変えざるを得ないと考えています」。水谷氏はそうつづったうえで、次のように続ける。「私は自身の考えを確認するために、コクヨの黒田氏にも直接会って考えを聞き、ぺんてるの発展のためにぺんてるの経営に次世代の社員を参画させることを約束してもらいました。これにより、私は現経営陣の提案(実質、プラス社への株式売却)に賛同しないと表明いたします」
慌てたぺんてる経営陣
水谷氏は御年98歳だが、OBとして大きな発言力を持つ。これまで一貫してぺんてる経営陣の立場を支持しており、11月20日には株主向けにその旨を改めて表明する手紙を出したばかりだった(詳細は11月26日配信の「激化する「ぺんてる株争奪戦」、揺れるOBたち」を参照)。その水谷氏が意見を変えたという。
慌てたのがぺんてるの経営陣だ。すぐさま水谷氏のもとへ駆けつけ「何が起きたのか」を水谷氏の親族とともに確認した。
その結果、ぺんてる経営陣は背後にコクヨ側の働きかけがあると判断。12月1日、株主に対して和田社長名義の「事情説明レター」を発送した。
「コクヨ社からの連絡に際しては、弊社に対して、強いご支援を頂いている水谷壽夫様からの手紙なるものが同封されていたと伺っております(中略)水谷壽夫様には、当社の定時株主総会の際にも、大変温かく、強いご支援を頂いておりましたが、現在も当社を強くご支援頂くとともに、今般の当社の判断と対応について、引き続き、賛同しておられると認識しております」
水谷氏はやはり「ぺんてる経営陣を支持している」のだという。その「証拠」として出てきたのが、水谷氏の直筆とされる別の手紙だ。
その手紙には次のように書かれている。
「11月29日にコクヨ社より皆様に送付された私の手紙ですが、内容に些か誤解があり、皆様に誤ったメッセージを御送りした形となって了いました。私がぺんてるの経営陣の決定に賛同することに全くの変更もございません」
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