サイバー攻撃に対して「裸同然」日本のお粗末さ 対策は後手後手、手口は日々変化し巧妙化

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ITで生活が便利になった一方で、心配されるサイバー攻撃。私たちはセキュリティ対策について、どう向き合えばよいでしょうか(写真:metamorworks/PIXTA)

IT(情報技術)のおかげで、私たちの生活は本当に便利になりました。コンピュータ、携帯電話、インターネット、スマートフォンで使うさまざまなアプリなど、ITインフラの整備・拡大に伴い、サービスも情報もお金も、国境を越えて瞬時にやり取りできるようになったのです。

一方で、国境を越えてつながるITを悪用したサイバー攻撃も蔓延するようになりました。「サイバー」とは、「コンピュータやITの」または「コンピュータやITに関連する」という意味です。

拙著『サイバーセキュリティ 組織を脅威から守る戦略・人材・インテリジェンス』でも詳しく解説していますが、「サイバー攻撃」を行う犯罪集団や国家は、ITを使うことで、自ら国境を越えて相手の建物の中に入り込まなくても、最新技術や安全保障上の情報を盗めるようになりました。今や工場や発電所のほとんどはコンピュータ制御され、ネットワークにつながっており、サイバー攻撃で運用や業務を止めることさえ可能となったのです。

危機感の伝わりにくい犯罪

同じ「犯罪」といっても、サイバー犯罪が空き巣や強盗などのアナログ犯罪と大きく異なるのは、割れた窓ガラスや足跡といった肉眼で見える形跡が残りにくいところです。被害が外から目に見えれば、私たちの間で危機感が芽生え、法整備を含めた対策が進みやすくなります。視覚で捉えられる被害が出るとは限らないサイバー犯罪の場合、そもそも問題があることにさえ気づきにくく、なかなか危機感が募らないのです。

また従来の戦争であれば、使われた武器やミサイル、生物化学兵器の種類、破壊された建物や死傷者の数など、被害に関する具体的な情報とむごたらしい現場の映像が報じられます。事態改善のため、国家間の議論や国際法の整備を進める機運も高まるでしょう。

対照的に、最先端技術の情報や事業戦略を盗むサイバー攻撃であれば、万人にとって一見してわかりやすい被害が「攻撃」で出るとは限りません。被害が可視化されず、メディアにも報じられず、サイバー攻撃は他人事として放置され、サイバーセキュリティ対策が進まないという悪循環が続きかねないのです。

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