年末調整で見落としやすい7つの節税ポイント 5年前に申告し忘れた所得控除も活用できる

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忘れがちな控除の2つ目は、「寡婦控除・寡夫控除」です。これは、離婚や死別によってシングルになった人に対する控除で、寡婦(女性)と寡夫(男性)で控除の内容が異なります。

寡婦控除の場合は、①離婚や夫と死別した人で、再婚せず、扶養親族(親や兄弟)または生計を一にする子がいる、②夫と死別し、本人の合計所得金額が500万円以下――のいずれかに該当すると、所得から27万円(住民税計算では26万円)が控除されます(控除を受ける年の12月31日時点で該当すること。以下同)。シングルマザーだけでなく、離婚などでシングルになったあと、親や兄弟を養っている人も対象になるわけです。

さらに、③夫と死別もしくは離婚後、再婚していない、④本人の合計所得が500万円以下、⑤生計を一にする子がいる――という3つの条件を満たす場合は、特別の寡婦として控除額が35万円(住民税計算では30万円)に増えます。

一方で寡夫の場合は、妻と死別もしくは離婚した後、再婚していない。本人の合計所得が500万円以下、生計を一にする子がいる場合です。特別の寡婦といった制度はありません。

田舎で年金暮らしの親も「扶養」に入れられる

専業主婦や高校生、大学生の子どもがいると「扶養者控除」が受けられますが、親を扶養している場合も控除が受けられることは知っていますか。これも見落としがちな控除の3つ目です。

親の年金収入が一定額以下で、親を経済的にサポートしていれば、親も扶養に入れることができるのです。同居している親だけでなく、別居している親に定期的に仕送りしている場合も対象になります。

親の収入には制限がありますが、65歳以上で収入が年金のみなら、年金が158万円以下であること。控除額は、親が65~70歳では38万円(住民税計算では33万円)、70歳以上では同居なら58万円(同45万円)、別居では48万円(同38万円)です。

ただし、ここで考えるべきは「誰が控除を受けるか」です。所得税や住民税では、所得が多いほど税率が高くなり、税率が高い人ほど、控除を受ける効果が大きくなります。例えば38万円の控除を受けるなら、税率10%の人が得る軽減額は3万8000円ですが、税率20%の人は7万6000円と倍になります。親を扶養にする場合、実の子かどうかは問われません。夫婦で扶養している場合は、夫か妻のうち、年収の高い人が控除を受けたほうが有利です。

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