欧州高速鉄道の「覇者の座」狙うイタリアの野望

フランス、英国の次はスペインに参入表明

イタリア鉄道は、フランスでの運行に先立ち、日立のイタリア現地法人である日立レールS.p.Aへ、フレッチャロッサ・ミッレETR400型を14編成追加発注したと述べた。スペイン進出にあたっての車両も、同じETR400型を23編成新造すると発表している。

日立レール・ピストイア工場で見かけた、フランスでの試運転に向けた改造と調整を行っていたETR400型。この編成は現在フランスで試運転が続けられている(筆者撮影)

ETR400型車両は、EUの定めるTSI(相互運用性の技術仕様)に準拠、ヨーロッパで使用される4つの電化方式すべてに対応し、欧州標準信号ERTMS/ETCS Level2を搭載、最高速度360kmでの営業運転が可能な設計となっており、すでに350kmでの営業運転は認可されている(現在は300kmで営業中)。

つまり電化区間であれば、どこでもすぐに営業運転が可能な万能車両で、今後も追加で製造される可能性が高い。

車両の製造は間に合う?

問題は、フランス向け14編成に加えて、追加の23編成を2022年の初頭までに準備できるか、という点だ。

ETR400型は、基礎部分にボンバルディアのゼフィーロ・プラットフォームを用い、車体デザインを含む製造の大部分を日立レールが担っている。

ただ、日立レールのイタリア国内工場に、フランス向けを含む計37編成296両を約1年で生産するだけの余力があるかどうかだ。場合によってはイタリア向け車両を製造していた当時と同様、同国北部リグーリア州にあるボンバルディアのヴァド・リグーレ工場へ、一部製造分担を依頼する可能性も考えられる。

いずれにせよ、少なくとも向こう1年は日立レールにとって、不眠不休でフル稼働の日が続くことになるかもしれない。

鉄道最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 岡本幸一郎の自動車情報発信局
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
銀行 地殻変動<br>先で待つ「不良債権地獄」の恐怖

コロナ危機を受け、銀行は政府の支援の下、積極的に「傘」を差し出し、融資をしています。しかし融資先には「危ない企業」も含まれ、下手をすれば不良債権によって屋台骨を揺るがしかねません。自ら大きく変わり始めた銀行の近未来を占います。