都心で買うなら「駅徒歩7分以内」物件一択のワケ

成毛眞氏「私が東京に住み続ける理由」

住む場所はある程度、住人の所得水準が高いところのほうがいいだろう。

住む場所にお金をかけるのは見えではない。安全を買うのだ。治安のよさ、悪さは殺人事件の発生率だけでは測れない。しかし、殺人事件の被害者の9割は犯人と面識があったという。隣人は危険のない人がいいだろう。警視庁の統計によると殺人に限らず犯罪の動機は、約4割がお金に起因する。

都内で住むところを考えたとき、私は世田谷や都心の空気が好きじゃない。

武蔵野の雰囲気が残り、さらに治安のいい場所となると、杉並区の南側だ。井の頭線沿線一択となる。鼻にかけたようなスノビッシュな空気がないのもいい。

子どものことを考えたとき、都心の超一等地に生まれ育ったら、野心が育たないのではないかと思う。野心というと少し大げさに聞こえるかもしれないが、高みを目指そうとしない子になるだろう。何代も続く、土地持ちの家系ならそれでもいいかもしれないが、これからの時代、つねに変化し続けられるような子でなければ生き残れない。子どものためにもちょうどいいのが、井の頭線沿線というわけだ。

もう1つ、井の頭線沿線のいいところは、駅同士の間隔が短いため、駅を中心とする街が小さい。すると、飲食店が少ないので、余計な出費が抑えられるのだ。自宅近くにおいしいお店が何軒もあれば、つい行ってしまうだろう。なければ、自宅で料理するしかない。

家族構成によって求める家の広さは違ってくると思うが、広い家はあまり必要ないと考えたほうがいい。あなたがもし40代のサラリーマンだとして、これから3人の子どもを持つことは考えにくいだろう。それに、進学や就職のタイミングで巣立つことを考えると、子どもは20年も親元にいないのだ。広さを妥協すれば、同じ金額でも駅近の家を借りることができる。

家は即金でしか買ってはいけない

住む場所を考えるというと、必ず「購入派か賃貸派か」という議論になる。私の結論は簡単だ。

即金で家を買えない人は絶対に賃貸にするべきだ。

先ほども少し触れたように、子どもが生まれたり、巣立ったりすることを考えると、その時々でベストな間取りというのは変化する。高齢夫婦2人で3~4LDKなんて住もうものなら、掃除すら満足にできなくなる。

さらに、家の広さを求めたあまり、郊外の駅からバス必須の立地にある場合、日常の買い物や病院はどうするのか。ここ数年、高齢者の自動車事故が問題になっているように、ある程度の年齢になったら、車の運転もできなくなるのだ。賃貸であれば、夫婦2人になったとき、駅近のマンションに引っ越せばいい。間取りは1LDKでも十分だろう。

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