『正社員になるべきか、派遣の身軽さを取るか』(28歳女性) 城繁幸の非エリートキャリア相談
終身雇用の崩壊、成果主義の導入などにより、日本人の「働き方」は激変。その結果、自身のキャリアに迷えるビジネスパーソンは増えていくばかりだ。これまでの古い「昭和的価値観」から抜けだし、新たな「平成的価値観」を身に付けるためにどうすればいいのか。日本の人事制度を知り尽くした城繁幸氏が、あなたの悩みにお答えします。
CASE:3
『正社員になるべきか、派遣の身軽さを取るか』(28歳女性)
<相談者の悩み>
28歳女性既婚、現在は派遣社員です。商品の企画開発・運営に携わる部署で2年3ヶ月仕事をしてきました。別に副業も持っているため、経済状況は安定しており、当面はこの状態で仕事をしていくつもりでした。
ところが、派遣先の会社で、主力の社員が多数転職、退職したため、正社員への登用を示唆されています。
ありがたいお話ではあるのですが、まさに昭和的価値観の古い経営体質に見切りをつけて去っていった社員の方たちをみていると、 正社員になったところで、社内的な事務作業量が増え、かえって割りにあわないのかもしれない、という印象がぬぐえません。
とはいえ、副業の方はともかく、派遣でゆるく仕事をすることが、 これから何年やっていけるのか、先が見えません。副業も主収入源とするほどは稼げません。また、年金や育休など、やはり企業に所属した方が60歳ぐらいまでのトータルでみると有利なのかな、という気もします。
会社がゆるすのであれば、契約社員という形で基本給をとり、諸手当はもらわない代わりに、組織の事務作業を免除してもらい、企画を発案・採用される場合に企画料をもらう形がとれれば、一番自分の力を有効利用できるのかも、とも考えています。(今までに同じ業種で正社員の経験があり、企画力はそれなりにあると自負しています。ただし、フリーの業態が発達している業界ではないので、フリーでの活動は視野にいれていません)
城氏から見て、どうすれば、いちばん経済的に有利でしょうか。