劣等感を「バネにする人」「無駄にする人」の大差

「待つだけで行動しない人」に成功は訪れない

劣等感を成長のエンジンに変えていくための第一歩とは?(写真:studio-sonic/PIXTA)
臨床に携わる一方、TVやラジオ番組でのコメンテーターや映画評論、漫画分析など、さまざまな分野で活躍する精神科医・名越康文氏による連載「一生折れないビジネスメンタルのつくり方」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

「劣等感をバネに成功する」というのは本当か

失敗をしたり、思うような成果が出なかったりすると、誰しも自信をなくしてしまうことがあります。停滞し、自信を失うあなたを横目にどんどん出世していく同僚の背中を見ているうちに、「自分は仕事ができない人間なんだ」という劣等感がむくむく膨らんでしまう人もいます。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

ただ、劣等感というのは、少なくとも長期的な成長、あるいは成功という観点から見たときには、忌み嫌うべきものではありません。なぜなら、成功者の多くは、劣等感を巨大なエネルギーにして、飛躍的な成長をなし遂げた人たちばかりだからです。

版画家の棟方志功(むなかたしこう)氏は、極度の弱視です。そういう人が、日本のゴッホと言われるような作品を数多く残しているという現実があります。ベートーベンは耳が聞こえなかったし、ナポレオンは軍隊イチの小男だったと伝わっています。

映画俳優も、八頭身の美男美女ばかりというわけではありません。チャップリン、トム・クルーズ、アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ……。彼らは皆、映画俳優としてはかなり小柄です。彼らが劣等感を持っていなかったと考えるほうが難しいでしょう。

「劣等感をバネに成功した」というエピソードは世の中にあふれていて、それはともすると、単なる「お涙頂戴の苦労物語」として消費されてしまいがちです。しかし、劣等感を自身の成長のエネルギーに転換していくために必要なのは、そうした悲壮な努力ではありません。カギとなるのは、もっと冷静で落ち着いた<自己認識>なのです。

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