台鉄が日本の鉄道20社超と提携する「真の目的」

日本からの観光客誘致よりも重要だった

各社の中では比較的早い2014年に台鉄と提携したいすみ鉄道前社長の鳥塚亮氏(現・えちごトキめき鉄道社長)は、「もともとは日本の鉄道ファンに台湾の鉄道を紹介するのが目的だった」と話す。台湾には日本の古き良き時代の鉄道風景がたくさん残っている。日本の鉄道ファンに台湾を訪れてもらいたいと考えたのだ。

鳥塚氏が台湾の旅行会社に話を持ちかけて実現した「台湾鉄道三昧の旅」は2013年から2017年にかけ10回実施、いずれも大盛況だったという。「そのご縁で、提携の話がまとまりました」。

台鉄と提携すると、台鉄の主要駅にポスターが掲示されるなどのPR展開をしてもらえる。いわば無料で宣伝してくれるわけだ。これは、自力で海外に広告を出す力のない鉄道会社にとっては、非常に魅力的だ。

「日本の旅行者ももっと台湾へ」

鉄道会社の沿線自治体にとってもメリットは大きい。鉄道に乗りに来るということは、その沿線に観光客がやってくることを意味するからだ。

いすみ鉄道がメディアで盛んに取り上げられることで、いすみ市の大原漁港の朝市にも多数の観光客が訪れるようになったことがそのあらわれだ。

インバウンドにもこの例は当てはまり、いすみ鉄道と台鉄の提携以降、朝市には台湾人の観光客グループの姿も見られるという。いすみ鉄道に限らず、多くの日本の鉄道会社が台鉄と提携する理由は、まさに台湾からの観光客獲得という点に尽きるだろう。

では、台湾側は、現在の状況に満足しているのだろうか。台湾の観光政策の責任者である台湾交通部の周永暉・観光局長は、「台湾から多くの旅行者が日本の鉄道に乗りに行っているが、日本の旅行者ももっと台湾の鉄道に乗りに来てほしい」と話す。

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