人生にお金はいくら必要? 1分でわかる計算式 老後の安心に必要な現役時の貯蓄額を求める

拡大
縮小

「人生設計の基本公式」は、もっと貯蓄しなさいということをいうためにあるわけではありません。決めた額の貯蓄ができているのなら、これだけのお金を使っても大丈夫です、という額を求めるための計算式でもあるのです。 貯蓄は大切ですが、人生の目的ではありません。お金は、予算内で適切に使ってこそ価値を生みます。 

老後の生活費の目安がわかっていれば、いたずらに老後不安をあおるセールストークに乗って、資産形成に合理的ではない商品を買うという間違いを避けられます。

しかし、公的年金をいくらもらえるのかわからないという人は多いです。50歳以上なら「ねんきん定期便」などでおおよその見込み額がわかりますが、それより若い世代は、そもそも年金制度に懐疑的だという人も多いようです。

そこで、増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』では、年金額がわかる早見表を付けました。また、年金制度についてもわかりやすく解説を書きましたので、不安も払拭できると思います。

お金について悩む時間を減らし、人生を幸せに楽しく

「人生設計の基本公式」が使える理由の3つ目は、現在の生活費をベースにして老後の生活費を想定しますので、イメージがしやすいことです。例えば、リタイアまでに住宅ローンを完済し、子どもも独立すれば、今より4割程度は生活費が圧縮できるとか、一生賃貸のつもりなのでリタイア後も生活費はあまり変わらないとか、ご自身の考えるライフプランを反映して計算することができます。

私のホームページに6つの数字を入れていただければ簡単に必要貯蓄率が計算できるツールがありますので、ぜひ利用して、ご自身の必要貯蓄率を求めてください。さらに、計算のポイントをご紹介する動画も用意しましたので、ぜひご覧いただければと思います。

この連載でも「人生設計の基本公式」の使い方をいくつか解説しています。お金の問題解決をしたい「ご本人」はもちろん、コンサルティングなどに利用していただいても結構です。そのときは、相談者が何度でも計算をし直せるように、先の計算ツールのことも教えてあげてください。

お金について悩む時間を減らせると、もっと人生は幸せに楽しくなります。お金はシンプルに扱い、仕事の時間、家族との時間、友だちと過ごす時間や趣味や好きなことに費やす時間をたっぷり楽しみましょう。増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』が皆さんの役に立つことを願っています。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT