ワタミ渡邉会長、「88歳までやる」宣言のわけ 「ブラック企業」批判にどのように応えるのか
「ワタミには1000%戻らない」ーー。
2015年の東洋経済のインタビューに対し、こう答えていた居酒屋チェーン・ワタミ創業者の渡邉美樹氏が、10月1日付けで代表取締役会長兼CEOに就任し、経営トップに復帰することになった。
【2019年10月12日9時55分追記】初出時のタイトルで渡邉氏の肩書きが誤っておりました。お詫びして修正いたします。
同7日には、都内のホテルで渡邉氏のCEO復帰と新規事業を発表する記者会見を開いた。会場には100人を超える記者が集まり、注目の高さがうかがえた。
「経営を通じて国を変えたい」
今回、あっさり前言撤回する形になったが、これについて渡邉氏は「言ったことと違えたことについては謝罪する。政治で国を変えることができなかった。経営を通じて変えたい」と説明した。
渡邉氏は1986年にワタミを創業。居酒屋の「和民」を一大チェーンに成長させた。ワタミは順調に業績を伸ばしてきたが、2008年に入社2カ月の女性従業員の過労自殺が発生。顧客離れが深刻化し、2015年3月期には最終赤字が128億円にまで膨らむなど、経営危機に陥った。
渡邉氏は2013年、自民党公認で参院選に出馬するために会長を辞任。後継社長に就任した清水邦晃氏が、ブランド力の落ちた和民を「三代目鳥メロ」や「ミライザカ」へ次々と業態転換した。同時に介護事業の売却などを行い、一時低迷した業績や財務を建て直した。
とはいえ、2019年3月期の業績は売上高947億円、営業利益10.6億円にとどまり、それぞれ1500億円、90億円を超えていたかつての勢いはない。上場企業として今後の成長戦略が問われていたところへ、6年間の参院議員の任期を終えた渡邉氏が戻ってきた。
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