台風直撃でラグビーW杯「日産スタ水没」の懸念 水没した場合、日本戦開催に影響はないのか

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日本対スコットランド戦など13日に予定されている4試合の開催について、組織委は台風の通過後に安全性を調査のうえ決定する。台風は13日未明には関東を通過すると予想されており、13日当日の判断ということになりそうだ。試合の中止判断がなされる場合、原則キックオフ6時間前までに告知される。

10月5日のサモア戦でトライを決める松島幸太朗選手(写真:アフロ)

日本対スコットランド戦は13日の19時45分に日産スタジアムでキックオフ予定。超大型の台風であるだけにどの程度の影響が残るのか、予断は許さない。

さらにもう1つ、会場となる日産スタジアム特有の懸念がある。同スタジアムのある新横浜公園が、鶴見川の洪水をためる遊水池であるという事実だ。

遊水池は、川が氾濫した際、川からの水を一時的に流し込み、洪水の被害を低減させる役割を担う。1998年に供用開始された日産スタジアムは、1000本以上の柱で支えられる人工地盤の上に建設されており、川からの水を人工地盤の下に流し込む構造になっている。

日産スタジアム周辺は水害が起こりやすい

鶴見川は東京都町田市から横浜市、川崎市を流れる全長42.5キロメートルの一級河川。管理する国土交通省京浜河川事務所は、鶴見川の特徴として「市街化が進んでいて水害が起こりやすい」ことを挙げる。

市街地を流れるがゆえに川の拡幅やダムの設置は難しい。その中で被害を最小限にするためには洪水を一時的にためる必要があり、遊水池を作ることになった。新横浜公園周辺はもともと低地で、川が蛇行していることもあり、水害が起きやすかった。そうしたことから、2003年に遊水池が設けられた。

運用開始からこれまで20回、新横浜公園には鶴見川からの流水が起きている。最近では今年9月上旬、千葉県を中心に甚大な被害を及ぼした台風15号が上陸した際に、川が氾らんし遊水池への流水があった。

ため込んだ水は洪水が去ってからどれぐらいで排水されるのか。鶴見川の水位次第だが、遊水池への流水量が過去最大だった2014年10月の台風の際には、水が抜かれる(川に排水される)まで2日程度かかった。

今回の台風は過去最強クラスといわれ、広範囲で記録的な大雨が予想されている。日産スタジアムの「水没」は、十分に考えられる。

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