ファーウェイが「代理戦争」する米国企業の存在

米中ハイテク利権の知られざる暗闘

フレックス側も弁護士を介してファーウェイ側に返信し、アメリカの輸出規制に関する法律に従って、フレックスにはファーウェイが所有権を主張する材料と装置に対して審査する義務があるという考えを示した。

6月中旬に、フレックスはファーウェイの材料と装置を返還することに最終的に同意した。だが、フレックスはこれらの装置と材料をアメリカのエンティティ・リストに入っているファーウェイと関連企業68社以外の「第三者」機関に引き渡すことを要求し、それに伴う費用の負担もファーウェイに求めた。

ファーウェイは7月末にメディアに対して、フレックスが差し押さえている物資の価値は7億元(約105億円)に相当し、フレックスとの交渉を経てすでに同社は約4億元(約60億円)分の物資を回収できているが、残りの部分についてはまだメドが立っていないと語り、「フレックスがなぜわれわれの物資を没収するのかまったく理解できない。アメリカの禁止令を勝手に解釈している」と怒りの声をあげた。

先兵としてファーウェイを攻撃

フレックスはなぜここまで強硬な態度を示すのか? グーグルは政府の命令に従ってファーウェイとの一部取引を中止しているが、一方でファーウェイへの禁止措置の緩和をアメリカ政府に働きかけているとされている。

その理由は明らかにされていないが、フレックスはアメリカがかなり強制的にファーウェイを排除していくだろうと思い込んでいたのだろう。それなら、先兵としてまずファーウェイに攻撃をかけるべきだと動いたに違いない。

ファーウェイは8月5日に弁護士を介して書簡をフレックスに送り、収入への影響や材料の浪費、設備の交換などに起因する損失として「数億元」の賠償を求めた。ファーウェイにとってこの反撃はほんの手始めにすぎない。なぜならこれに続いて、ファーウェイはフレックスをサプライチェーンから排除することにしたからだ。

アメリカ政府による禁止令が実施され、ファーウェイとの提携が中断されることにより、フレックスも大きな悪影響を被っている。2019年度第1四半期(3月28日~6月28日)決算によると、フレックスの売上高は61億7600万ドルと、前年同期の63億9900万ドルを下回った。純利益は4487万ドルで、前年同期比61.3%の大幅減だった。

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