日本人のノーベル賞が「急減する」絶対的理由 日本は5年に1人、中国は受賞ラッシュに!?

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2001年から2010年の表を見てください。受賞者数シェアと25年前の5年間の被引用論文数シェアの平均を比較してみます。アメリカは52%と52.8%、日本は8%と6.5%、イギリスは11%と10.6%、フランスは5%と5.3%、ドイツは7%と7.6%です。

お見事と言ってよいほど近似しています。2011年から2018年の受賞者数シェアと25年前の被引用論文数シェアも、同じように近似しています。

つまり、各国のノーベル賞受賞者数と25年前の被引用論文数シェアは相関しています。もちろん、ノーベル賞の全受賞者とその授賞対象の研究時期や、1970年代以前の論文データを網羅した精密な検証ではないので、偶然の一致である可能性は否定しません。

日米は減少、中国が毎年受賞する!?

被引用数が上位1%の論文のことはTop1%補正論文、上位10%の論文はTop10%補正論文と呼びます。2013年から2015年の平均値で、Top1%補正論文数の日本のシェアは2.4%、Top10%では3.1%です。

25年前の高被引用論文数シェアとノーベル賞受賞者数のシェアが強い相関を示すという仮説が正しければ、2015年の25年後、つまり2040年ごろには、日本人ノーベル賞受賞者のシェアは3%前後となる可能性があります。自然科学系受賞者の数は毎年6人前後ですから、その3%は0.18人です。5年に1人受賞できるかどうかという数です。

日本に代わって台頭してきそうなのがTop1%補正論文数シェア14.3%の中国です。現在の受賞者シェア約50%のアメリカもうかうかできません。Top1%論文のシェアは34.3%にまで減少しています。

アメリカは受賞者を減らし、中国は毎年のように受賞者を輩出する。そして、日本は5年ぶりの受賞の知らせに拍手を送っている。25年後のノーベル賞受賞シーズンは、そんな光景になっているかもしれません。

岩本 宣明 文筆家、ノンフィクションライター

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いわもと のあ / Noa Iwamoto

1961年生まれ。著書に『新聞の作り方』(社会評論社、文藝春秋菊池寛ドラマ賞受賞)、『新宿リトルバンコク』(旬報社)、『ひょっこりクック諸島』(NTT出版)、『がんとたたかう心の処方箋』(光進社)、『ホスピス――さよならのスマイル』(弦書房)などがある。他に共著書多数。近年はブックライティングも手掛けている。

 

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