「派手さ」がなく残念、名古屋周辺ミニ路線10選 小さな車体でコトコト走る愛らしい電車も

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8)養老鉄道の大垣―揖斐間

かつては近鉄の1路線だったが、経営不振のため近鉄から切り離され養老鉄道として再建を目指している。

養老鉄道の揖斐駅(筆者撮影)

近鉄名古屋線、JR関西本線が分岐する桑名駅から北上し、大垣でJR東海道本線と接続、大垣駅でスイッチバックし、揖斐駅まで北上し終点となる。大垣駅で運行が分離され、大垣―揖斐間は区間内折り返しで、さながら盲腸線のようである。

長らく近鉄からの譲渡車ばかりだったが、2019年より東急電鉄7700系が走り始めた。

三重県内のミニ路線

9)近鉄鈴鹿線

近鉄名古屋線の伊勢若松より分岐。1925(大正14)年の開業時は伊勢神戸(いせかんべ、現在の鈴鹿市駅)までだったが、1963(昭和38)年に平田町まで延伸開業した。

かつては、近鉄名古屋からの直通電車も運転されていて、筆者も子どもの頃、近鉄名古屋駅で伊勢神戸行きという電車を見て、伊勢神戸とはどこなのか不思議に思ったことがあった。今では、ほとんどが線内折り返し電車ばかりで、平日の朝、1本だけ近鉄四日市駅からの直通急行が運転されている。

10)四日市あすなろう鉄道八王子線

もとは三重交通、その後、近鉄の路線となり、2015年4月からは四日市あすなろう鉄道として走っている特殊狭軌路線(線路幅762mm)だ。あすなろう四日市駅を起点に内部(うつべ)に至る内部線と、途中の日永駅から分岐して一駅先の西日野駅が終点の八王子線からなる。

四日市あすなろう鉄道八王子線(筆者撮影)

八王子線は途中駅なしの1.3kmのミニ支線。1974年に水害のため西日野―伊勢八王子間が廃止となり、現在に至る。すべての電車はあすなろう四日市駅から直通している。ナローゲージ特有の車幅が狭く、車高が高く見える一見アンバランスな車両は独特の風情がある。

このほか、豊橋鉄道市内線(東田本線)の支線(井原―運動公園前)もミニ支線といえるだろう。

また、終着駅が行き止まりの路線は、長良川鉄道、樽見鉄道、三岐鉄道北勢線・三岐線、近鉄湯の山線など、数多くある。

野田 隆 日本旅行作家協会理事

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のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

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