前回の2019年8月30日付記事「盲腸線と言われて残念な『超ミニ支線』10選」は思いがけず大好評だった。
同記事は全国のJR線限定だったが、私鉄や第三セクターのミニ路線も意外に多く存在するので、まずは首都圏編を発表したい。長い編成の通勤電車が往来するいわゆる本線と比べて目立たないのが残念だが、日帰りで乗りに出かけたくなる個性あふれる「名脇役」たちだ。
短いがにぎわっている
浅草を起点とし、曳舟や北千住で地下鉄からの乗り入れ列車が合流する東武伊勢崎線。複々線の線路が荒川を越え、特急以外の優等列車(急行、区間急行、区間準急)が最初に停車する西新井駅から分岐するのが大師線である。
昼間はきっちり10分ごと。西新井―大師前間を2両編成の電車が片道2分で往復している。伊勢崎線から乗り換えるときは、同じ東武線にもかかわらず、大師線の改札を通る。
その後、大師前駅で降りる時は改札はなく、無人駅となっている。大師線に中間駅はないので西新井駅の大師線専用改札が大師前駅の改札代わりということだ。ミニ路線ではあるけれど、東京23区内の路線なので、利用者は少なくない。
地元の利用者のみならず、西新井大師の最寄り駅として、弘法大師の毎月の縁日のみならず、1年を通じて行事を中心に参詣客でにぎわっている。
大師線が開業した時は、この路線は環状7号線(道路)に並行するように都内を横断し、東上線の上板橋駅に至る長大な西板線として計画された。諸般の事情から、そのうちのわずか1区間のみが完成しただけで終わってしまった無念の路線でもある。
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