「新型カローラ」で日本専用ボディを作った意味 グローバルモデルを国内で売らない理由とは

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カローラが販売される市場を考えると、アメリカや中国は国土も道路も広いのでサイズについての制約はあまりないし、新興国では上級セダンとして買われることが多いから見た目は堂々としていて車内が広いほうがいい。

しかし日本はご存じのように道路や車庫が狭いし、カローラは昔から大衆車として認識されてきた。加えて近年はユーザーの高齢化が進んでおり、スポーツ発表時のユーザーの平均年齢はセダンが70代、ワゴンが60代に達していた。長い間クルマと付き合ってきた人ほど、ボディサイズを変えるのには抵抗があるだろう。

発表会では、最小回転半径が5.0mで旧型から0.1mしか拡大していないことや、ドアミラー格納時の車幅が車体中心から5mmしか広がっていないことなど挙げ、日本の道路事情や使用環境に合わせたことを説明していた。

アメリカ仕様の新型カローラ(写真:トヨタ)

先に発表されたグローバルモデルのセダン写真と発表会で撮影した写真を比べると、たしかに前後のオーバーハングは短く、リアドアも前後長が詰められており、フェンダーの張り出しは控えめになっている。フェンダーの違いは発表会場に展示されていたカローラスポーツとの比較でも明らかだった。しかしながらバランスは取れている。デザイナーは苦労しただろう。

先祖返りしたセダンの外観

スタイリングはセダン、ツーリングともに、ボディサイドについてはTNGAプラットフォームの低重心を感じさせる低い位置のベルトラインを基調に、サイドウインドー後端をせり上げ、前後のフードに傾斜をつけることでスポーティな雰囲気を出している。

展示されていた歴代カローラ(筆者撮影)

カローラのセダンというと四角いというイメージを持つ人が多いかもしれないが、長い歴史を振り返ると、初代から3代目までは、前後のフードに傾斜をつけたスタイルを持っていた。発表会場に展示された歴代カローラでも確認できた。理由は異なるが先祖返りしたとも言える。

フロントまわりは鋭角的なヘッドランプこそカローラスポーツに似るものの、台形グリルはシンプルになった。リアはツーリングのコンビランプはスポーツに似た形状だが、セダンはオーソドックスな横長としてワイド感と落ち着きを醸し出している。

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