クルマをサービス起点として考える時代の勝機

モビリティ革命を発展させる「CARS」とは?

① 自動車での買い物と自動車のメンテナンス

次世代ユーティリティーの変換に向けては、クルマが特別なものではなく、日常品となることへの理解を高めないとなりません。そこで、自動車で来店するお客様向けに、タイヤをモチーフとしたカフェスペースを設け、来店者の憩いの場として提供し、ショッピングモールのお買い物品を例に取りながら、タイヤの大切さを啓発してみました。すると、これまで商品の理解や関心がなかったお客様も、少しずつ理解を示し、問い合わせが増えてきました。予想以上の反響でした。「クルマ」も日常生活の延長線上に結合することができるのです。

② 子どもたちの理解と新たな慣習

次世代ユーティリティーの変換に向けては、家族全員が理解し、家族が同化しなくては、発展した技術を受容できません。そこで、ショッピングセンターに来店する家族に、家族で楽しめる子ども向けのイベントとして、タイヤボウリング、タイヤ溝の測定体験、歩行者シュミレーターなどの催しを行い、反応を観察してみました。

イベントに参加した子どもたちからは、「お父さん、タイヤの溝がないと危ないよ」「お母さん、空気圧が足りないとタイヤが悪くなっちゃうよ」といった自然な反応がありました。さらに、イベントを遠巻きに見ていたスーパーの従業員も触発され、新たな知見を能動的に受容し、自らも啓発され商品の点検や購入も始めたのです。まさに、自動反応であり、新たな文化の受容です。

③ トリマーというインフルエンサー

ペットを愛玩する生活者は、トリマーと密接な関係があります。そのため、新たな自動車ユーティリティー発展を担うインフルエンサーになりうるのかを確認するために、ペットショップと同居した自動車のメンテナンスショップで、トリマーによる「クルマ」接客の反応を観察しました。ペットを愛玩する気持ちをくすぐりながら、トリマーを通じてクルマへの関心を喚起できるのでしょうか。

「今日は、犬のトリミングにいらっしゃったのですね。それなら、クルマのトリミングもしませんか?」こんなふうにトリマーが声をかけると、来店者はハッとした表情を見せることがあります。こうした一言が、心を揺さぶったのです。まさに、生活者視点でのサービスの分配による、新たなサービスが受容されたのです。

このような結果をもとに、モビリティ革命の全容を啓発しながら、電気での豊かな暮らしに関する取り組みをしたところ、大きな反響を得られ、コンセプトの確かさを確信しました。

次ページ小売店を舞台に「技術」を広める
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」
  • 最新の週刊東洋経済
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 買わない生活
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
これが世界のビジネス常識<br>会社とジェンダー

「ジェンダーギャップ指数ランキング2021」で日本は120位という結果に。先進7カ国中で最下位かつ、女性の社会的地位が低いとされるアフリカ諸国よりも下です。根強く残る男女格差の解消は、日本経済が再び競争力を取り戻すために必須の条件です。

東洋経済education×ICT