「事故物件」だけを扱う不動産会社の本当の狙い 誰もがワケあり物件の所有者になりうる?

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事故物件を売却する場合、売却価格の相場は厳しい。殺人事件が絡むと、価格は相場の3割程度にまで下がることもあるという。早期に発見された孤独死など、室内の大がかりな清掃が必要ない場合でも、買い取り価格は半値にまで下がることもある。

「人が亡くなっただけなのに、どうしてこれほどまでに価値が下がるのか」。もらい手がつかずさまよう不動産たちを「成仏」させるべく立ち上げたのが、成仏不動産だった。

事故物件を求める人は少なくない

現在の掲載物件数はおよそ130件。これまでに賃貸6件、売買4件の契約が成立した。意外にも、事故物件を求める人は少なくないという。

成仏不動産に掲載されていた賃貸住宅に入居した20代の男性は、「事故物件は最高だ」と言う。人が亡くなったという事実を除けば建物に異常があるわけではなく、家賃は相場より安い。この物件は長らく入居者が決まっていなかったが、成仏不動産に掲載するやいなや、この男性の手によって無事「成仏」していった。

単身者だけでなく、家族で入居する住宅として購入された例もある。動機はやはり「安いから」だ。現在のところ、物件掲載にかかる手数料は無料。当初は営業エリアを首都圏のみに絞っていたが、メディアに取り上げられたこともあって問い合わせが増え、エリアを全国に広げた。

どこか遠い存在のように語られがちな事故物件だが、花原社長は「誰もが事故物件の当事者になりうる」と指摘する。離れて暮らす単身の親族が孤独死をした場合、その持ち家は事故物件となりうる。問題は、それを相続することで自分自身が事故物件のオーナーになる可能性があることだ。

東京23区で発生した自宅での孤独死は昨年、8000人を超えた。これは確認ができた範囲での数字で、実際はさらに多くの孤独死が発生しているとみられる。こうした孤独死の7割以上が65歳以上の高齢者。日本賃貸住宅管理協会の調べでは、物件オーナーの約6割が単身高齢者の入居に対して拒否感を有していると回答した。

むろん孤独死のすべてが心理的瑕疵にあたるわけではないが、発見が遅れたケースは少なくなく、事件や事故なども事故物件の原因になることを加味すれば、単純計算で年間数千もの物件が「事故物件」という烙印を押されることになる。

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