TV出演最多、新井恵理那を変えた「6人の先輩」 私を支えてくれる「かけがえのない言葉」
すると休憩のときに、ふかわさんがシリアスな口調でこう言ったんです。
「あなたねぇ、愛のないツッコミはダメだよ」
ドキッとしました。とてもショックで、言葉の真意をきちんと理解できないままロケは終わってしまいました。実はふかわさんは國學院高校の先輩で、私なりに親しみを持ってツッコんでいたつもりだったのですが、それはまったく伝わっていなかったようです。
「ツッコミ」ではなく「ダメ出し」だった
その後、バラエティ番組でさまざまな芸人さんと共演させていただく中で、言葉のやりとりによって笑いが生まれるのが「ツッコミ」で、頭ごなしに否定するのは単なる「ダメ出し」にすぎないのだと気がつきました。そして、ツッコミにあってダメ出しにないのは「愛」なのだとも。
それ以来、ツッコミを入れる際は相手の方への愛情と尊敬の念を忘れないように意識しています。お笑いの世界は奥が深くて本当に難しいのですが、経験を積んで、少しは「愛あるツッコミ」ができるようになってきたのではないかなと思っています。
そういえば先日、ご一緒したバラエティ番組で、新人に厳しい活を入れた先輩「ふかわさんの黒歴史」としてこのエピソードを紹介させてもらったのです。時を経た、私なりの愛を込めたいじりでした。ふかわさんが「あのときは本当にごめんね」と謝ってくださる場面があり、番組はかなり盛り上がりました。甘酸っぱいいい思い出になりましたし、真摯に指導してくださったふかわ先輩には感謝しかありません。
タレントとしての側面もあるフリーアナとしてセルフプロデュースすることの大切さに気づかせてくれたのが、岡田さんのこの言葉です。
岡田さんとは新人時代に「PON!」でご一緒していたのですが、私は当時「山ファッション」にハマっていて、靴から服、リュックに至るまで全身をお気に入りのアウトドアウェアで固めて出社していました。自分なりに精一杯オシャレをしているつもりでしたが、ある日帰りがけにばったり会った岡田さんに「芸能人なんやからそんな格好で来ちゃあかん! オシャレせな!」とファッションチェックされてしまったのです。
岡田さんはというと、大きなハットにファッショナブルなスニーカーにヒョウ柄のレギンス。柄オン柄で個性的なファッション。かなり派手ではありましたが、その陽気で豪快なキャラクターにとてもよく似合っていて、見事に着こなしていました。
岡田さんの指摘を受けて、私はアナウンサーとして人から見られる意識が足りなかったことに気がつきました。ひとりよがりのオシャレではなく、まわりから見ても「すてきだね」と言ってもらえる姿でいるべきなんだと考え方を改めるようになったのです。それ以来、全身「山ファッション」で街を歩くことはなくなりました。
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